拝見! パソコンクラブ(2)

VCコンテストに参加、英語や創造力を鍛える

神奈川大学附属中・高等学校


 神奈川大学付属中・高等学校が放課後の活動として、「AT&Tバーチャルクラスルームコンテスト」に参加して、今年で3年目になる。
 同校では、中学3年間継続して、技術家庭科の中でコンピュータの活用を習う(計50時間)。1年生でワープロやCGの使い方、2年生でホームページの検索、3年生で、HyperCardによる自分史の制作、タグからのホームページ制作などをしている。
 こうした中で、「自発性が養える。さまざまなコンテストを利用していくことが子どもたちの目標になる」(技術科・小林道夫先生)とコンテストに参加している。

 「AT&Tバーチャルクラスルームコンテスト」は、3か国の学校がチームを組み、英語版のホームページを作るプロジェクト。3年間の成果について、英語科の菊池久先生は、「参加した生徒は英語や外国に対する恐怖感がなくなったのではないか。ある程度の内容なら、自分からどんどん英語を書くことができるようになった。和文英訳でなく、エッセイが書けるといった感じ」と評する。

 辞書を引きながら作った英語が通じる喜び、生の英語が戻ってくる驚き。
 毎回、生徒のなかから希望者を募る。今年は約30人が希望した。それを4グループに分け、共同で作っていく。プロジェクトのホームページには、「自己紹介の部屋」や「作業部屋」「週間レポート」などがチームごとに設けられ、3年生のチームリーダーを中心に電子メールで意見交換しながら進めていく。教師の役割は、参加国の生徒がうまくコミュニケーションできるようにすること、だという。
 昨年は教師同士でチャットをしたが、今年は生徒同士のチャットやCU−SeeMeもぜひ活用したい、考え。

 コンテストの制作期間は10月から2月末。週1回生徒は放課後コンピュータ室に集まる。2回目の活動日となった10月23日には、英語の自己紹介文を電子メールソフトに入力し、ホームページ上に設けられた前述のバーチャルクラスルームに送った。
 今年のテーマはオーストリア、ギリシャの3か国で相談し「未来の色世界」と決め、近未来の衣食住を色で表現することにした。楽しい発想を形にするのが目標。さて、どんな色の世界が表されるのか。

 中1の時に参加したことがある3年生の大森麻衣さんは、「ホームページができたときには達成感があった。英語で文章を作る力はついたと思う。今年は、個人的にも交流してみたい」と抱負を。
 また、1年、2年と参加、今年は他のコンテストである「ThinkQuest」に「差別」をテーマに参加する3年生の粉川奈穂さんは、「海外の生徒と考え方に違いがあることが分かり、刺激になった」と感想を。2人でチームを組み、人種と階級について調べ、英語のホームページにしていく。
 同校では昼休みや放課後、毎日コンピュータ室を開放、生徒がそれぞれの課題克服にやってくる。

(教育家庭新聞99年11月号)