拝見! パソコンクラブ(4)

今年26人が情報処理技術者試験に合格

埼玉県立深谷商業高校コンピュータ部


 埼玉県立深谷商業高校は、昨年10月の情報処理技術者試験で、「第2種情報処理技術者試験」に13人、「システムアドミニストレータ試験」に4人が合格。春季試験でも「第2種」に9人が合格しており、1年間で26人という合格者を出すという快挙を成し遂げた。合格者のうち、ほとんどはコンピュータ部の生徒である。

 同校は商業科、会計科、情報処理科の3科を持ち、資格取得が伝統的に盛んで、全国商業高等学校協会主催の検定試験でも毎年多数の合格者を出し、今年は3年生2人が、情報処理、簿記、ワープロ、英文ワープロ、商業経済、コンピュータ利用技術、電卓の7種目で1級に合格するという成績を上げている。
 こうした中、大学・短大・専門学校などへの同校の進学率は約70%と高い数字を示している。
 「市役所などに本校の卒業生が勤めると、生徒がブラインドタッチでキーボードを打っているので、驚かれます。

 普通高校とは異なり商業教育としての基礎、産業教育としての情報教育を身につけてもらうのがねらいで、実社会で生きていくのに役立つ技術や力を身につけていってほしい」と野本重雄教頭。
 コンピュータ部には、60人以上が在籍している。毎日4時から6時ぐらいまで、学年別に顧問の先生が付き、資格取得や競技会に向けて学年別のメニューで練習・学習をしている。
 取材した日には1年生は、ワープロ検定試験に向けての練習をしていた。「タタタタタッ」。すごい速さでキーボードを打っている。速さと正確さを競うワープロ検定試験1級は10分間に800字の入力を競うが、10分間で1400字の練習問題をしている。問題は顧問の先生がいろいろと考えながら出している。

 2年生は、第2種情報処理技術者試験とより上級のシスアドの試験に向けての勉強。普通教室で、3、4人が向かい合いグループを組んで、試験の練習問題集を開いている。生徒の進度によって、開いているページは異なる。分からないときに、相談したり聞いたりするのだという。
 教室の前方に座っていた生徒S君に、「みんなどんな仕事につきたいと思っているの」と尋ねると、リーダー格なのか「じゃっ、ちょっと聞いてみましょうか」と言うなり、「みんな、静かにして。ちょっと聞くけど、この中で情報処理関係の仕事に就きたい人はいる?」と全員に聞いてくれる。(ちなみに、情報処理関係の仕事を希望している生徒は2年生29人中5人だった)
 みな元気そうで必要なときはさっと静かになるのが印象的だ。
 プログラムやワープロの競技会には、部から代表を選出して参加する。全国プログラム大会では、これまで3回優勝、県レベルでは10年連続優勝の実績を持つ。
 「競技会に参加するのは、違った意味で励みになります」と顧問の青柳久美子先生はいう。

(教育家庭新聞99年3月号)