わたしの食と健康F
 

   朝若さの秘けつは油揚げ?

             エッセイスト 逸見春恵さん

 

 全国講演や執筆に多忙な逸見晴恵さんは、ガン告知のパイオニア、理性と勇気の故逸見政孝アナウンサーの未亡人である。仕事盛りのご主人をガンで奪われた痛恨事から、どんなに忙しい時でも、健康管理には細心の注意を払って、バランス食を実践している。しかも、毎日続けないと意味がないから、一日30品目と適正エネルギーを頭に叩き込んで、食事ごとに食べたものを頭にインプット。最終的に1日単位のバランスを、夕食メニューで、コントロールするわけである。

 朝はブランチ。夕食との間に軽いものをちょっと食べる。そして、毎食、ヨーグルトは欠かさない。常食していると、身体に活力が湧いて、免疫力が高まり、胃腸はいきいき。カルシウムいっぱい。それに動物性脂はなるべく摂らない。甘いものは大好きだが控えめに。腹八分目。出されたものは遠慮なく残し、好き嫌いよりまず健康というヘルシースタイルだ。
 好きなものは油揚げ。毎日食べる。焼きたてを、大根おろしで食べたり、いんげん、小松菜など、緑黄色野菜と取り合わせて、煮びたしや和え物に。お手製のお惣菜がいちばんということである。油揚げが好きだから、おいなりさんも好物だ。子供の頃に、サクラエビやゴマ、椎茸、人参などを入れた、五目おいなりさんが好きだった。今でも時々食べたくなるという。おしゃれな逸見さんのほほえましい半面だ。しかし、この好物、良質のたんぱく質に、ビタミン、ミネラル、食物繊維もたっぷり。ひょっとすると、実年齢より若いお肌の秘密かも。それに成人病予防にも、もってこいの一挙両得の味だ。

 ホームメードのコロッケはご自慢。玉ネギを香りが出るまで炒め、叩いて細かく刻んだ牛肉、マッシュルームを加える。炒めた具、刻んだゆで卵をマッシュポテトに混ぜ合わせて、小麦粉、パン粉をつけて揚げる。揚げ油は太白胡麻油か紅花油。美味しいし、腹持ちがいいので時々作る。が、十年に一度も会心の出来はないという。
 逸見さんのリラックスタイムは、大好きなワインのある夕食。家長として、二人の子供の母としての自分の健康。そんな立場をナチュラルに受け入れ、エンジョイする。食卓にはお気に入り、油揚げと野菜味いろいろ。南瓜の煮物。自家製ギョウザや焼売、春巻き。辛味も大好きだから、時には芝エビのチリソースも。今日の食事は明日の健康という姿勢が、栄養パワーを作っているわけである。
(教育家庭新聞99年7月17日号)