わたしの食と健康J
 

   関西風味と東京風味で豊かな食卓

             作曲家 水谷良一さん


 作曲家水谷良一さんは(社)日本作曲家協会国際委員、日本録音指導者連盟理事。テレビ東京の懐かしの歌声「夏祭にっぽんの歌」「年忘れにっぽんの歌」の、最初からの編曲指揮者である。大阪生まれで大学は京都という生粋の関西育ち。瀬戸内海の海幸、丹波の山幸、京都の里味に囲まれて育ったので、何でも食べるが、新鮮な物、その土地の旨い物がいいという美味んぼである。

 上等な牛肉に恵まれている大阪は、肉と云えば牛肉のことだ。上京当時に、食べたカツの中身が豚肉だったので、びっくりした思い出もあるという。今では東京生活の方が遙かに長くなったが、音楽に魅せられ、上京して、叔父・服部良一氏の内弟子に入った。ところが服部婦人が浅草育ちだったので、味は江戸風。7年後に独立、結婚。奥様が東京人であったことから、すっかり関東の味にもなじんでしまった。
 フレックスタイムという仕事柄、朝食は少し遅めの和食。御飯と味噌汁コンビに、昆布の佃煮や干物など。煮物、漬物も欠かさない。バラエティ豊かなバランス食は、若い頃、タクトを振っていた舞台で喀血して、二年余、実家で療養していた間に、まだ新婚間もなかった水谷夫人が、お姑さんから覚えた関西風おふくろ味と東京風をアレンジしたものである。
 少し血圧が高めだが、日頃から漬物にも醤油を掛ける方なので、塩分が多くなりがち。しかし、美味しいものたっぷり。おかずいっぱい。たくさん食べるには、濃い味では、あまりたべられないので自然にうす味になる。奥様のお手柄というわけである。

 好きなものは魚。ことに鯖の煮物、酢締め、鰯など。東京では珍しい鱧の皮の酢の物も夏の好物だ。子供の頃から、大好きだったカマスゴも時に食卓に乗る。瀬戸内海特有の小指ぐらいのシラスの釜揚げ風の魚である。その反面、ステーキが大好物というから、動物性脂肪が、ちょっと気になるが、最近は健康を多少考えて食べるということである。
 嫌煙派であるが、アルコールは好きだ。・良き仲間たちと、ともに汲む酒は幸せ・何よりのリラックスタイムだ。アルコールを止めるという気には、さらさらならないということである。

(教育家庭新聞99年11月13日号)