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連載・海外文化交流(3)パレスチナの子どもたちと交流を (2007年02月26日)

ジャパンアートマイ 海外交流プロジェクトsyriachildren

シリア青年海外協力隊 視聴覚教育 古川浩一

「これは何?」 日本から送られた写真を見ながら5重の塔を描いているパレスチナ人の生徒に尋ねると「日本の家!」という元気な答え。 「えーとね、 これは宗教的な建物でモスク(イスラム教の寺)みたいなものなんだよ。」と言うと「へー、 じゃあ日本の人はどんな家に住んでいるの?」
  日本の生徒たちがパ レスチナ人の生活を思い浮かべることが出来ないように、 パレスチナの生徒たちが日本人の生活を思い浮かべることはまず出来ません。 イメージできたとしてもテレビや新聞の限られた情報からくるイメージです。

2006年春、 シリアのパレスチナ難民キャンプの生徒達と日本の小学校・中学校の生徒達とのアートマイルプロジェクトが始まりました。 目的はお互いの文化を理解し、共同で大きな壁画を描くことです。

 

TV会議とBBSでリアルタイムな交流に

 今回の交流にはインターネットが大きな役割を果たしています インターネットを使ったTV会議やBBSを使用することにより、 リアルタイムの交流と情報交換が可能になりました。シリア側ではノートPCをワイヤレスでネットに繋がるようにし、 WEBカメラが学校の中を自由に動き回れるように工夫しました。 これにより日本の先生や生徒たちがパレスチナ難民キャンプ内にある学校の廊下を歩き、 教室に入っていって対話できるようになったのです。まるで個人の目線のテレビ局が開局されたような感覚。 しかもこのテレビ局の情報は一方的でなく双方向に流れるのです。緊張気味の生徒がWEBカメラの前に立ち、 自分自身の事についてしゃべり、恥ずかしそうに質問に答える。あるときには自分の伝えたいことが伝わらず苛立ち、 相手の言っていることがわからずに戸惑う。私たち大人はこうした交流を丁寧にサポートし、 喜びや学びにつなげてゆくことがとても大切なのだと感じます。そこには生徒と共に学んでいる教師の姿があるでしょう。

 

異文化理解は「人との出会い」 から

 

2年近く海外で働き、感じることは異文化を理解するためには「人間」と出会うことが大切だということです。 それは、ある国のニュースを見たときにそこに住む人の「顔」が浮かぶということ。 ある国について、 ニュースや本で情報を得ることも大切ですが、ある国の人と知り合うことによって、他人事としてではなく、 自分自身と関わりのある事としてその国のことを考え、理解しようとするようになるのです 世界の平和を構築するためにはこんな単純なことの積み重ねが重要なのかもしれません。 もし世界中の学校で今回のような取り組みが日常的に行われ、世界の生徒たちが出会い、学び合い、心が繋がり合えたとしたら、 明日の世界はよりよいものになってゆく!そう感じずにはいられません。

連載・海外文化交流(1)エジプトのピラミッドを世界中の子どもたちの絵で取り囲むプロジェクト http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2006/12/post_628.html (2)「国際社会で協働する原体験を」http://www.kknews.co.jp/wb/archives/2007/01/post_703.html



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投稿者 kksblog : 2007年02月26日 16:26


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