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科学的リテラシーを重点的に調査~OECD生徒の学習到達度調査 (2016年12月15日)

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国立教育政策研究所が、OECD(経済協力開発機構)による2015年版学習到達度調査の結果を発表しました。

OECD加盟国の多くで義務教育の終了段階にある15歳の生徒を対象に、読解力、数学知識、科学知識、問題解決を調査。国際比較により教育方法を改善し標準化する観点から、生徒の成績を研究することを目的としています。2015年調査では、科学的リテラシーを中心分野として重点的に調査しています。

72か国・地域から約54万人が参加。日本は、全国の高等学校、中等教育学校後期課程、高等専門学校の1年生のうち、198校、約6,600人が調査に参加しています。

調査結果から、科学的リテラシー、読解力、数学的リテラシーの各分野において、日本は国際的に見ると引き続き平均得点が高い上位グループに位置していることがわかりました。平均得点は、科学リテラシーが2位、読解力が8位、数学的リテラシーが5位です。一方で、前回調査と比較して、読解力の平均得点が有意に低下していますが、これについては、コンピュータ使用型調査への移行の影響などが考えられるようです。

今回調査の中心分野である科学的リテラシーの平均得点について、「現象を科学的に説明する」「科学的探究を評価して計画する」「科学的探究を評価して計画する」という3つの科学的能力別に見ると日本は各能力ともに国際的に上位に位置しています。レベル5以上の生徒の割合がもっとも多いのはシンガポールで、次いで台湾、日本。平均得点は、シンガポール、日本、エストニアと続いています。

生徒の科学に対する態度については、OECD平均と比較すると肯定的な回答をした生徒の割合が依然として低いものの、例えば自分の将来に理科の学習が役に立つと感じている生徒の割合が2006年に比べると増加するなどの改善が見られました。30歳時に科学関連の職業に就くことを期待している生徒の割合は、OECD平均で25%、それに対して日本は18%です。2006年調査と比較すると日本においては、男子で6ポイント、女子で4ポイント、全体で5ポイント、統計的に有意に増加しています。

学力は上位に位置し、科学に対する態度についても改善がみられることからも、教育現場の学力定着のための取り組みの成果が出ているといえるのではないでしょうか。


OECD生徒の学習到達度調査(PISA) | 国立教育政策研究所



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投稿者 kksblog : 2016年12月15日 21:03


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