『悩める情報教育主任日記 その4」

無線LANへの道は遠い

by Bach-Bach

=Bach-Bachさんプロフィール=
某県某郡の小学校教諭 情報教育主任
*)コラムでは「ありのままを書きたい」というご本人の希望で、ペンネームを使っています。


 本校の職員室では、無線LANへの関心がとても高くなってきました。自分のノート型コンピュータを仕事がしやすい場所へ運んで使いたいけど、ネットワークを使いたい。でもケーブルが邪魔。そういう思いが無線LANへの憧れとなったのです。

 これは、とりもなおさず、「総合的な学習の時間」で子どもたちがコンピュータを使う場合にも当てはまります。そうした経過が地区内の小学校のコンピュータ導入にあたって「全館、無線LANの環境を希望したい」という提案につながったのでした。
 ところが教育委員会からは「無線LANの設備は他校でもまだまだ実績がないので」という理由で却下されてしまったのです。僕はがっかりしてしまいました。その上さらに追い打ちをかけるように、隣の地区で無線LANの設備が導入されることになったという情報が入りました。共に5年間のリース契約なので、スタートの時点でちょっと乗り遅れちゃったな、と酸っぱい気持ちになりました。

 もちろん、僕は本校の子どもたちが精一杯活用できるように十分な環境作りをしていくつもりです。昔から教員は、そこにあるものを最大限に使って授業を作ってきたのですから。
 しかし今どうしても気がかりなのは、地区内の他の小学校です。いくら「子どもたちが先に使えるようになる」と言っても、指導ですから、やっぱり先生方が仕組まなくてはいけません。クラスごと、学校ごとのデジタルデバイドは、そこに勤務する先生方が作ってしまうものです。

 「コンピュータの研修を受けた教員の延べ数は全国の教員数の6倍にもなるのに、未だに使える教員の数が半分に満たず、文部科学省は愕然としている」という話を聞いたことがありました。教員として必要な指導研修をどのように効果的に設けるかが、すごく重要なのです。でも実は、教員は新しいことを学ばされるのがけっこう苦手なんですよね。


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