教育家庭新聞・健康号
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良い肌着とブラジャーを選ぶ
保護者セミナー、出前授業
 これまで教育家庭新聞・健康号は、グンゼ(株)の協賛を得て、養護教諭を対象とした下着指導セミナーを東京と大阪で年に一度ずつ、保護者対象では随時、また、児童生徒の指導用にジュニアブラ・下着指導キットを配布してモニター校の募集を行っている。今年度、その下着指導キット・モニター校募集で応募のあった中から東京・新宿区立落合第六小学校では保護者セミナーを1月17日、兵庫・明石市立二見西小学校では20日、児童対象に出前授業を実施した。

◇ ◇ ◇

保護者セミナー
新宿区立・落合第六小学校

肌着に触れ
  違いを実感

 新宿区立落合第六小学校(坂東静子・校長)では、4〜6年生の児童をもつ保護者対象に、どのようにしたら成長にあった下着を選ぶことができるかについてのセミナーを開催。同校の坂東校長は集まった保護者達に、下着は「メンタルでもありフィジカルでもある問題」とし、「専門的な立場からの説明を聞いて欲しい」と話した。

 講師の御手洗さんは、まず良い肌着について、同じ綿を使ったものでもやわらかさに違いがあり、集中力に影響がでてくると説明。「ごわごわ肌着はストレスのもとにもなり、体温調節にも影響する」とし、長い間使用して汗を吸わなくなった「ベトベトする肌着」は、「ごわごわする肌着」同様にストレスへの影響や免疫力への影響も懸念されるという。

 グンゼの基準によると、1枚の肌着は週に1度の洗濯で80回、約2年が寿命。保護者達は、80回洗濯した肌着と、5回洗濯した肌着に触れてみて明らかな違いを感じていた。肌着を選ぶ基準には、「製造元がハッキリしているものを選ぶことが大切」で、「購入したら一度洗ってみてすぐに横に伸び縦が縮むものは好ましくない」。また、肌着を着ることによって温かさも変わってくる。「寒がりな人」は、肌着を着た方が暖かく快適に過ごすことができる。

洗濯80回と5回の肌着の手触りを比べる保護者
洗濯80回と5回の肌着の手触りを比べる保護者

成長に合う
  ブラ選びを

 女児のブラジャーについては、「胸への過剰な圧迫は、大人だけではなくジュニアにとっても良くないこと、生理の教育ともに胸の発達についての教育も大切」だと言う。

 グンゼのブラジャー「pied clair」は、成長に合わせた1〜4のステージがある。まず、トップが目立ち始めた頃は脂肪がつかずデリケートなことから、二重になったタンクトップ、キャミソールなどのタイプが身体に負担をかけないと説明。「着替えを用意しておけば」と体育の時にも着用をすすめる。

保護者は誰もが話を真剣に聞いていた
保護者は誰もが
話を真剣に聞いていた

 バストがふくらみ始めた時は、一番胸の発達が大きい時。ファーストブラと呼ばれるスポーツブラタイプの物で胸を優しく守ることが大切。その時期一番のポイントとなることは、「肩ひもが伸び縮みしズレにくいもの」。

 トップとアンダーの差が8センチくらいになってきたら、「胸を押さえつけないようにノンワイヤーのブラジャーがお勧め」。その時期大切になってくることは、「脇が良く伸びるもの」。ノンワイヤーの形がまだ恥ずかしい場合は、スポーツブラに近いタイプもあるという。

 最後にワイヤー入りとなるが、「必ずしもワイヤー入りが必要というわけではありません。が、着けたくなった時は必ずジュニア用のワイヤーを選んでください」。そして、ステージ4は、かがんで後ろでホックを留められるようになることとともに、「デザイン重視の前に、試着して良いものを体感できるようにすることが大切」だという。

聞きたかった
  発汗との関係

 参加した保護者は実際に下着に触れ、肌着の大切さやブラジャーにはステージがあるということを実感。最近はTシャツを着ている児童も多いことから、「同じ綿100%でも肌着とTシャツは違うのか」という質問に御手洗さんが「肌着の方が汗の吸収力はある」と答える場面も。運動量の多い小学生の保護者にとっては、汗の問題が重要であったようだ。

 セミナー終了後、保護者に話を聞いた。5年生の女子児童を持つ保護者は、「まだまだと思っていたが、次に買う時は二重のタイプを買ってみようと思った」。また、6年生の女子児童を持つ保護者は、「ブラジャーについての話を聞いてみたいと思っていた。今度一緒に探しに行ってみたい」と、ブラジャーを選ぶきっかけの一つになったようだ。

出前授業
明石市立・二見西小学校
初めての
  下着指導

出前授業は3クラス全員で行った
出前授業は
3クラス全員で行った
 明石市立二見西小学校(春井俊彦・校長)は開校7年目、まだ残る田園風景の中に校舎は建っている。最寄り駅の西二見駅から神戸まで約50分、大阪まで1時間余り、マンションが目立ちはじめた地域にある。今回、下着指導の出前授業を受けたのは6年生の3クラス全員。同校は総合的な学習の時間でも睡眠や栄養、歯などをテーマにしているほど健康教育も熱心に行っているが、下着に関する授業は初めて。また、グンゼの担当者も、直接、児童に指導したことはなく、子ども達は話に耳を傾けてくれるか、最後まで興味をつなげていけるかなど初体験の中で、授業は始まった。


肌着とブラの
  役割を学ぶ

「肌着の材料となる綿はなにから出来るでしょうか?」

 6時間目の音楽室、講師の御手洗さんが、まず、全員に問いかけた。

「植物からだとおもう人?動物からだとおもう人?木やパルプなど紙の原料と同じようなものからだとおもう人?」

 それぞれに子ども達の手が挙がる。そうして、御手洗さんは綿の持つ保温性、吸汗性から肌着を着る重要さを説いていく。

「これから中学生になると、制服でYシャツやブラウスを着るとおもいますが、肌着には夏でも大切な役割があるので、着るようにしてくださいね」

御手洗さんのクイズに答える児童達
御手洗さんのクイズに答える児童達

 授業は40分間、「肌着を着よう」「ブラを選ぶポイント」の二つで進めていった。「ブラを選ぶポイント」では、集中力の欠如、情緒不安定、免疫力の低下などサイズの合わない下着からの影響をグラフや写真で科学的に示し、最後に男子用のトランクスとブリーフそれぞれの長所と短所を説明した。

「6年担任の先生方の協力もあってこの授業ができました。子ども達が下着について知るいい機会になったとおもいます」という同校の養護教諭・小川千恵先生は、実物をゆっくり見たい人や相談がある人は下着指導キットのある保健室へと声をかける。

 授業後、「これからはシャツを着るようにする」「サイズのあったものを選ぶ」と、子ども達から声があがった。

講師紹介
御手洗幸子さん
講師 御手洗幸子さん
1971年長崎県出身。
グンゼ(株)メンズ&キッズカンパニー 
技術開発課 
快適工房での紳士・ジュニア下着の生理研究、及び社内外への情報発信を担当。

グンゼ・ピエクレール http://www.e-cococi.com/



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【2005年2月12日号】


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