ITで築く確かな学力

         文部科学省検討会議が報告

 
確かな学力の向上にITはいかに寄与できるか−文部科学省「初等中等教育におけるITの活用の推進に関する検討会議」は8月28日、報告書「ITで築く確かな学力〜その実現と定着のための視点と方策〜」をまとめた。
 報告書は、ITで得られる教育効果について明確にした第1章「確かな学力とIT」、そうした教育効果を挙げるために教員、ハード、ソフトについて重視すべき視点を説いた第2章「IT活用の推進のための基本的視点」、具体的な方策をまとめた第3章「IT活用の推進のための条件整備」の3章構成。
 第1章では、まず基礎・基本の確実な習得ということに対しては、▽抽象的な概念や思考過程を視覚的に示すことで子どもたちのつまずきを克服する▽1人ひとりの理解度に応じたきめ細かなプログラムにより基礎・基本の確実な定着を実現する、といった効果を指摘。
 また、個に応じた指導の進展については、1人ひとりの個性や能力に応じたプログラムやインターネットの活用により個に応じた主体的、多様な学習を実現する、などと記述。
 思考力、判断力、表現力の育成については、▽相手や目的に応じた多様な表現手段を用い、論理的な思考力や実践的な表現力を高める▽学級や学校の枠を越えた共有・交流を通じて他と学びあいながら、多様なものの考え方を知り自らの考察を深める、などを挙げた。
 第2章ではまず教員の心構えについて、ITは学力向上のために用いるツールであると認識すること、また実践的なIT活用の指導力を高めることが重要である、と言及。ハード・ソフトについては、普通教室でも活用できる環境を実現し、教科指導用の良質なコンテンツを充実することなどが求められると指摘。
 第3章では、研修システムの改善や充実、評価の実施。さらに校長など管理職の理解、教員採用試験での実技試験の実施などを求めた。
 検討会議では今後この報告書を踏まえ、ITの効果的な活用法などを示したガイドブックなどを作成する。

 

(2002年9月7日号より)


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