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積極的な利用が進むメキシコ |
空港、裁判所、警察署、消防署、病院、銀行など、約50のパビリオンで職業体験ができるエデュテイメント・タウン「キッザニア」(運営 株式会社キッズシティージャパン)が、来秋、豊洲(東京)にオープンする。「キッザニア」が想定する対象年齢は2才から12才。キャリア教育の有用性が教育現場でも認められつつあるなか、これまでにない「学び」と「遊び」が融合した施設に、学校・園の注目が集まっている。
99年、メキシコシティ(メキシコ)で始まった「キッザニア」の昨年度の同国来場者数は、80万7000人に上る(うち約4割が小学校の課外授業による訪問)。
このエデュテイメント・タウンでは、約70種類の様々な仕事に触れることができる。さらに、単なる「施設」の提供にとどまらず、体験を効果的な「学び」に結びつけるため、教育現場の要望に応じて資料の提供や事前事後の授業案の提案を行うなど学校・園との連携を図っている点も大きな「キッザニア」の特長の一つだ。
「教育現場にキッザニアを取り入れてもらうためには、子どもたちだけでなく教師の方々にとっても受け入れられるものにする必要がある。あくまで主体は学校・園だが、何もないところから授業を行なうのも大変なので、キッザニアへ訪れてもらう前の授業から、体験した後の授業までフォローする、学習指導要領に照らした『授業プログラム』を提案することを考えている」そう述べるのは中田義彦氏(同社広報部長)。
来年10月のオープン予定の同施設。開業場所は、三井不動産株式会社が「豊洲プロジェクト」として開発している次世代型商業施設内で、現在ショッピングセンターの3・4階部分に建設が進められている。
発祥の地メキシコで同テーマパークを運営するハビエル・ロペス氏(ATM社CEO)は 1.仕事の原理原則を学べる 2.経済原則を学べる 3.独自の通貨キッゾ≠フ利用 4.社会的価値・責任の4つを挙げて「キッザニア」の教育的特性を説明する。
「仕事について、学校で教えることは簡単ではないが、お金は働いて稼ぐものだと体験を通じて理解して欲しい。キッゾ≠利用することで、お金を金融機関に預け入れたり、口座を開設して貯金も行える。もちろん貯金には金利もついてくる。キッゾ≠ェなくなったら仕事を探し働いて、自ら稼ぐなど、経済について学ぶことも可能だ。また、親が指示を出さないように、子どもたちには親から離れて活動してもらう。コミュニティでは、どの子どもにも等しいチャンスが与えられていることをわかって欲しい。ハンディキャップを持つ子どもも一緒に遊ぶことが大切」と同テーマパークの教育的価値を語り、「日本には両親が子どもの教育を重視する文化がある。成功すると確信している」と結んだ。
【2005年11月5日号】