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全高校で情報履修を
情報処理学会が提言8項目
 

情報処理学会は、情報の未履修の発覚やそれが大学の情報教育に重大な悪影響を与えている、ことなどにより11月15日、「高校教科『情報』未履修問題とわが国の将来に対する影響および対策」と題する提言をまとめた。

 コンピュータ利用教育協議会(CIEC)のアンケート調査によると、2006年度の大学入学生で教科「情報」の未履修者が24%に達し、それは特に国立大学や難関私立大学を目指す進学校に多い。

 一方、早稲田大学や東京大学では、高校で「情報」を履修してくることを前提に大学の情報関係の授業内容をステップアップしたものに改善した。しかし、新教育課程による最初の卒業生が入学した2006年度において、複数の大学で「情報」の授業についてこれない1年生が多数発生しているといった状況があると指摘する。

 こうした教科「情報」改善のための具対策として、8項目を提言した。
〈高校で〉

  1. 「情報」の最初の必履修科目を1年次に置き、受験勉強とは無関係に進められるように配慮する。
  2. 情報科教員への他教科兼務を避ける。それによる教員の余裕は情報の選択科目設置などにあてる。
    〈教育委員会で〉
  3. 異なる学校同士で情報科教員の交流を活発にする。
  4. 情報科教員に対する研修を充実させる。実施にあたっては高大連携の活用なども考えられる。
  5. 「情報」教員の採用にあたっては、他教科の免許保持を条件としない。
  6. 教育委員会では、「情報」指導主事が他教科の指導主事を兼務することを避ける。
    〈大学で〉
  7. 「情報」を扱う情報科学、情報工学、コミュニケーション、メディアといった情報専門学科とそれに準じる学科の大学入試において、「情報」を選択可能とする。
  8. 「情報」教員養成課程において、十分な「情報」教育能力を育成する。その手段として高大連携の活用も考える。


【2006年12月9日号】


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