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INTERVIEW 「学校ITと確かな学力」18
失敗恐れず、挑戦する精神を
  ──日本の緻密さ、技術力生かして
トレンドマイクロ(株)CEO
エバ・チェン氏
トレンドマイクロ(株)CEO エバ・チェン氏
 文字通り世界を股に駆けて活躍している、トレンドマイクロ株式会社CEOエバ・チェン氏。現会長とともに共同創業者としてトレンドマイクロ社の起業から携わってきた。チェン氏に、どのような力を身に付けていけば世界で活躍できる人材となれるのかを聞いた。

 この17年間、国境にかかわらず世界的に活躍できた秘訣は、自身の持つベンチャースピリットにあるかもしれません。つまり、失敗を恐れず、挑戦する精神ですね。

 私の父も、女の子だからといった制限や限界を越えて、なんでも自由にやりたいことや興味をもったことをやらせてくれました。そうすることで、自分の持っている能力にも気がつきますし、その能力に気がついて、伸ばしていくこともできます。大切なことは、自分で限界を決めないことです。

 「私は英語が苦手だから」「文化が違うと人々の考え方も理解できないから」などと失敗を恐れて躊躇していては、世界市場では活躍できません。失敗からだって学ぶことはたくさんあるのですから、怖がる前に挑戦していいのです。

 日本はおおむね失敗が恥ずかしい、と恐れる文化なのかもしれません。また、安定志向が強い気がします。皆、有名大学にすすみ、大学を出たあとは安定した大企業に入社したいという傾向があるのでは、ベンチャー精神があるとはいいにくい状況かもしれませんが、弊社は安定志向に依存しないベンチャー精神にあふれる若者を求めていますし、そんな若者が多く集まっていると感じています。

 弊社の主力製品である総合セキュリティソフト「ウイルスバスター」は、すべてを日本で企画・開発し、世界中で売っている製品です。社長になるまで、CTOとしてずっと開発部のトップにいましたが、日本の技術開発力の素晴らしさには目を見張るものがあります。繊細で緻密な作業、高い技術力、あらゆる能力を融合して高品質な製品を生み出そうとしていくチームワーク、利用者を考えて提案される様々な機能など、痒いところにまで手の届く献身性が製品に現れています。これら日本の特徴は、どの点でも、どこの国よりも秀でています。そこで日本を同製品の開発リーダー国としたのです。日本の皆さんはもっと誇りをもって良いと思いますよ。

 弊社はセキュリティ大手唯一の日本企業として、日本の文教育市場の皆様にも社会的責任をもって、各地の大学、学校などに講師としてご招待いただいたり、教職員の方々や小学生、保護者の皆様を対象としたセキュリティ啓発セミナーの実施などに取り組んでおります。それらを通して、実際の学校教育における情報化についての現状を現場の方々から伺っていますが、世界市場に比べ、日本の文教市場へのパソコンの導入率や、セキュリティ教育については、まだまだ尽力をつくさなくてはいけないと感じています。

 インターネットの利用は大変便利で快適なものですし、世界を広げていくものです。それに伴い、現在、ネットワークの脅威も国に関係なく、日々進化しています。安全な情報によって、多くの人々の世界を広げ、知識を培うためにも、トレンドマイクロは日夜、皆様のインターネット環境を守っていきたいと考えています。

<プロフィール>
 エバ・チェン
 ・トレンドマイクロ株式会社代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)。
  1959年台湾生まれ。
  台湾トレンドマイクロに入社。
  その後、米国トレンドマイクロの業務執行役員や最高技術責任者を経て2005年1月1日付でCEOに就任。



【2005年5月7日号】