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「情報」の授業が充実・人気
明治大学付属明治高・中

 御茶ノ水の明治大学の学生街の裏手、男坂に面して明治大学附属明治高等学校・中学校がある。

 大学附属、高大連携が入学してくる生徒にとって大きな魅力で、図書館など大学の施設を生徒が自由に使えるほか、明治大学附属という利点を生かし、高校生対象の日商簿記検定講座、情報処理技術者試験受験総合講座が開設され、人気がある。

 情報の授業も1クラスを22人ずつに分割し、それぞれ教員と助手が一人ずつついて1クラスは明治高校のコンピュータ室で、他のクラスは明治大学のコンピュータ室で授業を行う手厚さだ。

 「生徒は、情報を処理するより加工する時間が楽しいのですね。一人一人が個性を持てるように課題を設定しています」と情報担当の小岩孝一先生は授業設計の一端を。

 まず目的ありきで、生徒の意欲を引き出す生きた教材を活用している。そのせいか、情報の放課後補習をこれまで6回行っているが、すべて毎員という。

 先ごろ、中学1年生、2年生、高校1年生、3年生350人を対象にコンピュータの所有・活用状況についての調査を行い、その集計データを元に情報化の利点と問題点について、生徒にテーマを設定させ、持論を展開させた(3〜10枚)。

 調査は、コンピュータ教室で実施。導入されている情報教育支援システム「Wing NET」を利用し、質問を生徒端末に送り、生徒が各項目のラジオボタンなどにチェックする形で回答すると、すぐにその結果が集計される。その集計結果のデータ(CSV形式)を生徒のMOディスクに配布し、生徒はそのデータをExcelなどで加工。ビジュアルなグラフを作り、ワープロソフトで情報化の功罪を説いた。普通教室にLANはないが、情報を加工し処理する生徒の能力は高そうだ。

◇ ◇ ◇

タッチタイピングは基礎力

 「情報教育を展開していく上で、タイピングをマスターすることは非常に重要です」と小岩先生。

 同校では一昨年、タイピングソフトの「タイプクイック」を導入した。高校段階から3分の1の生徒が入学してくるため、タッチタイピングから統一性を図る必要があったためだ。1学期は2時間の授業の最初の5〜10分、タイピングの練習にあてた。


中高一貫のカリキュラム

 明治高等学校・中学校では、中学校から一貫した情報教育のカリキュラムを組んでいる。
 中学1年、2年では特別講座でWordやExcelの操作とデータの加工、画像処理、そして3年生「情報とコンピュータ」でタグからのWebページ作成につなげていく。

 高校では1年生「情報A」に続き、2年生の総合的な学習、3年生では卒業論文(40枚以上)で図書館やインターネット、独自の情報源から収集した情報を加工し、ワープロソフトでまとめる活動を展開する。

 生徒一人ひとりに明治大学のメールアカウントが与えられている。



【2004年8月7日号】