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京都丹後の体験学習型修学旅行
海と歴史の丹後ならではの豊富なプログラム

 修学旅行の定番といえば京都・奈良を中心とした関西方面だが、京都にあって意外と知られていないのが、丹後地方である。マンネリとも言われる京都だが、ちょっと北に目を向けると、実に様々な体験学習施設が点在している。そこで本紙は、体験学習を組み込んだ修学旅行(教育旅行)の行き先として京都丹後を提案し、「丹後教育旅行現地視察会」を企画。教育旅行に豊富な経験を持つ菊田寛さん(墨田区立立花中学校校長)、富張雄彦さん(北区立浮間中学校校長)、深山睦弘さん(八王子市立由木中学校校長)、片山亨さん(東京都立小松川高校)、井上仁さん(東京都立六郷工科高校)の5名に視察会に参加してもらい、座談会などで意見を聞いた。


引揚記念館では、語り部による
素晴らしい説明も

引揚記念講演の丘の上には、「岸壁の母」の歌碑もある。展望台からは美しい舞鶴湾を見ることが出来る。
引揚記念講演の丘の上には、
「岸壁の母」の歌碑もある。
展望台からは美しい舞鶴湾を
見ることが出来る。
 新幹線・のぞみで東京駅を出発した先生方は、約2時間で京都駅に到着。京都駅の乗り換えもスムーズ、タンゴディスカバリーに乗車し、約1時間半でKTR東舞鶴駅へ到着。同駅では、丹後広域観光キャンペーン協議会販売促進部会部会長の蛭子正之さんら、現地案内スタッフの出迎えを受け、丹後教育旅行現地視察会がスタートした。

 最初に向かったのが、舞鶴親海公園内の「エル・マール まいづる」。船内1階には日本初の海上プラネタリウムがあり、早速鑑賞した。同じフロアーには、海とともに歩んできた舞鶴の歴史が学べる舞鶴体験館もあった。2階にある船の体験館、3階の展望デッキを視察後、地下にあるエネルギー体験館へ。

 「ここは船の機関室をイメージした空間で、現在のエネルギー事情を分かりやすく展示しています」と館長の廣畑勇五郎さん。楽しく学べる船内の体験施設と共に、舞鶴湾の穏やかな美しさが眺められる場所だった。

 次に向かったのが舞鶴引揚記念館。終戦後の舞鶴港は、昭和20年10月7日の第一船の入港から昭和33年9月7日の最終船まで13年間にわたり、海外引き揚げの舞台となった場所。歌で有名な「岸壁の母」は、出征した我が子の引き揚げをこの地で待ち続けた母親がモデルになっている。

 引き揚げの町として全国に知られていたが、現在では語り部も老齢化し、このままでは忘れ去られる状況だという。そのため町では、語り部の人達を育成する講座を作り、徐々にその成果が上がっている。

 この日、我々が記念館の上にある引揚記念公園に登っていくと、どこからともなく、ボランティアの語り部が現れ、素晴らしいガイドをしてくれた。話に耳を傾ける先生たちも、「平和教育の重要性を実感した」と口々に話していた。

 この日は座談会があるため、視察を早めに終了し、宿泊地である日本三景の天橋立を一望できる小高い丘の上にたつ宮津のホテルへ。

 座談会は、蛭子正之部会長ほか、副部会長・太田明さん、副部会長・青木順一さん、養老漁業(株)取締役専務・嶋1055喜一郎さん、(財)丹後あじわいの郷事務局長・伊藤雅一さん、宮津ロイヤルホテル副支配人・山田正明さん、網野町観光協会・山口奈美さん、宮津市商工観光課・柴田俊光さん、伊根町役場未来課・今澤久雄さん、キャンペーン事務局・岸正樹さんが出席、丹後の体験学習施設の説明や意見交換会が活発に行われた。
漁業体験に感動、鳴き砂で
自然環境の大切さを実感

定置網の漁業体験。先生方も大きな魚を見て感動していた。
定置網の漁業体験。
先生方も大きな魚を見て感動していた。
 2日目は、定置網漁を体験した。本来なら定置網漁の説明を聞いてから乗船となるが、天候が崩れる前にとの配慮で先に体験となった。先生方は、網を引いたり、魚をすくい上げたりと大活躍。帰りには漁師が焼いてくれた魚やイカの刺し身を船上で堪能し、普段味わえない貴重な体験時間を過ごした。帰ってからは定置網の模型を使っての説明があり、より詳しく定置網漁の仕掛けを学ぶことが出来た。

 さらに伊根湾巡りの遊覧船に乗って、舟屋などを眺めながら、昼食会場の舟屋の里へ向かった。獲れたての透き通ったイカの刺し身や煮魚、焼き魚など新鮮な魚づくしの昼食だった。

 一行は穏やかな伊根湾を眺めながら次の体験施設「丹後あじわいの郷」へ。ここは広大な敷地内に、手作り体験工房「サポーレ」、レストラン「メローネ」、ふれあい牧場、農場などが点在している体験型農村リゾート公園。ここではバター作り体験をして、おいしいパンに自分が作ったバターをつけて試食。「美味しい。帰ったら自分で作ろう」という先生のコメントも聞かれ、笑いのあふれる体験時間となった。

琴引浜鳴き砂文化館。鳴き砂の音を自ら鳴らし、その音に感動する
琴引浜鳴き砂文化館。
鳴き砂の音を自ら鳴らし、その音に感動する
 次に視察したのが、琴引浜鳴き砂文化館。あいにくの雨だったため、鳴き砂の海岸・琴引浜を散策することは出来なかったが、同館で鳴き砂を自分で鳴かせたり、顕微鏡を覗いて鳴き砂の中に含まれる微小貝を見つけたり等楽しい時間を過ごした。「自然環境の大切さを、皆さんに実感してほしい」と語る同館の館長宇野貞夫さんの言葉が印象に残った。

 予定した体験を終え、今日の宿泊地である1200年の歴史の湯・木津温泉のホテルに向かう。夕食では、焼き蟹、蟹鍋、蟹雑炊など蟹づくしのコースを味わった。ちなみに修学旅行生の受け入れシーズンは、春と秋が中心である。「シーズンではないので蟹は出せませんが、この土地ならではの新鮮な魚や有機栽培の野菜を使った料理を出します」と同ホテルの支配人は語ってくれた。

稲葉本家、ちりめん歴史館
古墳など丹後の文化を学ぶ

歴史を感じさせる江戸時代の飾り雛
歴史を感じさせる江戸時代の飾り雛
 視察3日目は久美浜町にある豪商稲葉本家からスタートした。ここは糀屋を生業とした豪商の館。幕府の公金預かり所となり、12代当主の頃には、京都府一の多額納税者だったという。玄関を入ってまず驚くのが、母屋の土間と居間による一体的な吹き抜けの大空間。太い梁、美しい壁、そして廊下伝いにある畳敷きの2階建ての蔵、江戸時代の飾り雛、斬新な模様の欄間など見所はいっぱいある。蔵資料館も素晴らしく先生方も熱心に視察していた。

 次に向かった丹後ちりめん歴史館は、老舗の工場群跡地を利用した新しい見学・体験施設。丹後ちりめんの織りから染めまでの工程が見学できるほか、型染め体験、手機体験も予約で受け付けている。丹後ちりめんの商品が手頃な値段で買える展示販売コーナーも併設されていた。

丹後の古代ロマンを感じた加悦町古墳公園
丹後の古代ロマンを感じた加悦町古墳公園
 午前中最後の視察地である加悦(かや)町古墳公園は、国史跡蛭子山古墳と国史跡作山古墳を1600年前の状態に復元整備した古代歴史公園。一行は、最初にはにわ資料館で蛭子山・作山古墳の埴輪を中心とした展示説明を受け、古墳へ案内された。作山1号墳の頂上にある石棺を覗く先生たちも興味津々といった様子。古代の丹後地方に思いを馳せることの出来る施設だった。

 昼食は日本三景の一つに数えられる天橋立へ。昼食後は各自天橋立を散策し、無事視察を終えて東京への帰途についた。



丹後教育旅行に関する問合せ
=丹後広域振興局商工観光室(丹後広域観光キャンペーン協議会事務局)
 0772-62-4304

【2005年1月29日号】


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