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最終日の座談会。 写真左から浅川先生、永島先生、横溝先生、松浦先生 |
−−3日間の視察でしたが、総体的な印象をお聞きしたいのですが。
浅川 学習面の素材から見ても島原市を中心に充分、目的を達せられる内容があり修学旅行先の有力な候補地になると思います。中学生の場合、グループ別の旅行が主流になってきたので、自然、歴史面を含め感動体験が出来るのでは。雲仙のガラス細工、瑞穂町の花摘み、フラワーアレンジメントなど多彩ですばらしい。今後は航空運賃など含めて、どの程度、費用を抑えられるかが検討課題です。
松浦 自然を背景にした島原の人々の心の和みが印象的でした。有力候補ですね。その場合、平和と心の教育をテーマに長崎市と島原の乱、雲仙岳災害記念館などを体験学習に入れたいですね。
横溝 当時の人々の恐怖や頑張った様子が実感できます。自然災害を身近な場所で学習できることは大事ですね。東京に直下型地震がいつあってもおかしくないと言われても実感できない。学習の場として島原は優れていると思います。
永島 島ではない半島の利便性があること。広からず狭くなく多くのものが凝縮され、発見学習ができるのでは…。多くの地元の方にお会いし「人との出会い」の大切さを再認識しました。子どもたちにも心に残る喜びを知って欲しいですね。
−−体験学習が重要視されています。「人とのふれあい体験」も大切ではないでしょうか。
松浦 普賢岳の噴火で被災された方々が、長期にわたって多くの支援を受けて苦難を乗り越えて行く様子がもっと知りたいですね。子どもたちには「人の心の痛みを知り、自らの心を耕していく」きっかけにできればと思います。
永島 災害時の対処については、被災者の方のお話が具体的で分かりやすいと思います。災害から立ち直るために、どのように生きてきたのか。避難生活の中の本当の声を伺えたらいいと思います。島原の人たちと会っていると思いやり、素朴さ、一生懸命さが分かりますね。大都会へ行くと人間の温かみが感じ取れないのです。
横溝 歴史の教科書には「島原の乱」が必ず出てきますから、実際に生徒が自分自身で見聞することによって理解できます。自然災害では「普賢岳の噴火」が具体的に書かれているので、五感を通じて興味を持ちます。
永島 以前から体験学習とはなんだろうかと考えてきたのですが、フラワーアレンジメントを体験して、これが体験学習のあるべき姿ではないかと思いました。島原半島でなくてはできない。材料に使う花を栽培しているところにも目がいく。教える先生もアイディア一杯で自宅を開放しながらの試行錯誤で、一生懸命です。
−−修学旅行では食事や食泊施設、見学先なども重要ですが、この点でご意見は。
横溝 島原や小浜の方々から、「いいサービスでお迎えする」という強い自信を感じて心強かったです。食事の面では、生ものが苦手の子どもも多いので、ちょっと手間ですが、お寿司にしていただけると苦手な生徒も食べられますね。また風土に根差した食べ物の新発見が多かったですね。島原の乱で篭城した一挨軍が食べたという具雑煮。寒ざらし、サツマイモの麺を食べる六兵衛など珍しい体験でした。
それと小浜町は湯量豊富な本物の温泉で、大浴場がどの宿にもあり、修学旅行の大人数でもゆったりと入れる。すばらしいと思いますね。
浅川 長期的な視野で造られた雲仙岳災害記念館の内容が整っていますね。さすがに日本一の立派な火山体験学習施設だと感じました。
永島 百の言葉よりも一つの事実−の意味が分かります。とくに印象的だったのは、火砕流の通過した水無川の堤防でした。他の場所へ移らずに島原半島だけで、教育旅行のすべてを持ち込んでまかなってしう、そんなことも出来るのではないかと思うくらいでした。
−−実際にコース設定すると、島原半島はどのように計画しますか?
横溝 島原へ来て、地元の方々が「ここは九州のへそだよ」と言っていた意味がよく分かります。島原を基点にプランを作り行動が練りやすいのですね。
永島 高校の場合は3泊4日の行程ですが、長崎市を基点にするとアクセスに時間がかかるのが難点です。電車、バス、フェリーを使い、島原を基点に福岡や熊本を結ぶことも考えられます。場合によっては鹿児島まで伸ばしても可能ですね。
浅川 2つの県にまたがる行程は規制がありませんが2泊3日ですから、島原を中心として、行き・帰りに佐賀空港と長崎空港を使うのも可能かも知れません。全員行動は勿論ですが、クラス別、班別、それに福祉、歴史、環境など多彩なコース別も選択できますね。生徒がお互いにクロスオーバーし、分担し合って発表ができます。
−−島原、雲仙、小浜への、受け入れ態勢など提言や提案は。
浅川 地元から発信するPRを積極的にしてほしい。地元にはこのようなものがあり、このようなことができます、といった情報を発信してほしいですね。
永島 受け入れ側と訪問する側が、事前の情報交流で準備を整えておくことも大切ですね。出会った時には、顔を合わせるのは初めてなのに、前からの知り合いのような会話で始まるようにしたいですね。島原半島全体の情報を整備し、3月から運用できるという「がまだすネット」の存在は頼もしいですね。事前事後の情報提供に役立てられたら素晴らしいと期待しています。
横溝 テーマを決めて行動する修学旅行の性格上、近県同士の連携を日ごろからとっていただきたいですね。長崎県の場合なら、佐賀県(吉野ケ里遺跡など)との連携を密にすることで、県の独自性も打ち出せるのではないかと思います。同じ県内でも、島原は長崎よりも宿泊費を低く抑えられるという利点があれば、長崎市から90分かけて移動する価値があるわけです。航空運賃の負担を軽減するためにも必要なことと思います。
松浦 島原でもタクシー行動が出来たらいいですね。京都では多くの生徒が、案内役の観光タクシーの運転手さんとの出会いを想い出にしているのです。
永島 高校は1年半前に旅行先を決定するのですが、担当教諭が独自調査でコース内容を選定し、旅行会社に「予算の範囲でこのような内容にしてほしい」と申し入れる例が最近、目立っています。入札で3社の旅行会社に査定してもらう方法もありますが、忙しい先生だと旅行会社に任せっぱなしが多い。しかし、保護者からマンネリな内容だと指摘される場合もでています。生徒には一生の想い出に残るものですから、納得できる内容にしてあげたいですね。
ルポ【島原】災害から甦った“ふれあい半島”を巡る (05/01/29号)