小学校でタイピング

総合学習の週2時間使って
東京都江東区立第五大島小学校

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 東京都江東区立第五大島小学校は、区のインターネット活用の研究校として「情報活用選択能力と情報発信能力の向上」を目標に、週2時間の総合的な学習の時間を使って、年間指導計画に基づきタッチタイピングの練習や文章作成、インターネットの活用、プレゼンテーションなど、コンピュータリテラシーを体系的に学ばせ、一定の成果を上げているようだ。
 例えば、4年生では1学期にタイプ練習ソフトを使ってローマ字入力の練習をしたりホームページの検索方法、詩や学習カードの作成による文章の入力を学び、2学期にはホームページに載せる画像付き文章の作成や調べたことについての発表会などをする。5、6年生もタイピングの練習といった基本的なリテラシーからはじめて、自分たちが調べたことをコンピュータでまとめプレゼンテーションする学習につなげていく。
 タイピングの練習を早期から導入するのは、文章作成などの作業効率が上がったり、インターネット検索もスムーズにできるようになるといった利点があるからだ。
 9月第2週の3年生の総合的な学習の時間の授業。

ボール紙を練習に活用
 「手元を見ないで打つ練習をしてみましょう。でも、つい見てしまうようになるだろうから、とりあえずは、見てやってみよう。そのあとで、ボール紙で作ったキーボードを隠すものがあるので、少し慣れたらこれでやってみましょう」と加藤聖記先生。
 ディスクトップのアイコンをクリックしタイプ練習ソフトの「特打」(ソースネクスト社)を立ち上げる。2教室分あるような広々としたコンピュータ教室にはWindows98が動作するコンピュータが12台。広い机に2人または3人が座って交互に練習する。「特打」を使ってキーボードの練習は2回目だが、児童たちはホームポジションへの指の置き方は覚えているようだ。
 A、P、K、Lなどと画面に表示されるローマ字を打っていく。
 「間違えたら交代だよ」
 「親指は使わないのよ」
 隣に座った子ども同士で話しながら、楽しそうに練習をしている。もちろん、ホームポジションに指を置きながらだ。
 このクラスは3年生。つまりローマ字をまだ習っていない学年だ。しかし、ローマ字を記号として認識しているのか、かなり上手にうっていく。最初は練習後画面に表示される評定(正解率)が20%だったのが、2回目には60%になっている子どももいる。3年生でも十分授業がなりたっていくのだ。
 先生が見ていなくても、ゲーム性があるためか、児童たちは飽きずにタイピングの練習している。
 加藤先生は言う。「私が家で・特打・を購入してタッチタイピングの練習をしていたとき、なんと幼稚園児の子どもが興味を持ってこのソフトで遊び使い始めたのです。そこで、小学生なら十分喜んで練習するかもしれない、と思ったのです」。「遊びながらコンピュータに興味を持ってもらうきっかけにもなるのでは・・・」。このソフトを導入したもう一つの理由である。
 「3年生ではローマ字は習いませんが、ワープロソフトの一太郎スマイルは使っています。その一太郎スマイルを使う時、キーボードを打てない子はソフトキーボードで入力し、打てる子はどんどんキーボードから入力していけばいい。個人差に応じて対応していく」。
 できる子はどんどん進めていく。同校では、技能に関する個人差を認めて子どもに応じた段階で進めていく方針だ。

 (教育家庭新聞2000年10月7日号)


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