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新学習指導要領

情報教育〜「慣れ親しむ」から”主体的””積極的”に

「情報モラル教育」小学校低学年から

文部科学省教育課程調査官・情報教育担当 永井 克昇 

 「教育の情報化」は、「情報教育」と「授業でのIT機器の効果的な活用」の総称であり、現行の学習指導要領でその関連が明確化されているにも関わらず、この3つの言葉の使い方にまだまだ誤解や混乱もあるようです。また、生徒や保護者の中には「情報の授業」イコール「コンピュータ操作の授業」と考える方もいますが、日本の「情報教育」は「情報活用能力の育成」をねらいとしたものであり、この考え方は改訂後も変わりません。

  先頃公表された中央教育審議会答申によれば、各学校種段階におけるコンピュータやインターネットの活用について、現行の「小学校 慣れ親しむ、中学校 積極的、高等学校 積極的」から、「小学校 積極的、中学校 主体的、高等学校 実践的」という表現に変わり、一歩踏み込んだ活用が求められることが予想されます。

  小学校では、これまでなかった「基本的な操作の習得」や「情報モラル等に関わる指導の充実」という文言が記述されています。このことを学習指導要領にどう反映していくかが課題となっています。なお、情報モラル教育については、低学年からはじめることが必要だと考えています。

  また、中学校技術・家庭科技術分野では、これまで選択的領域だったマルチメディアの活用やプログラミングと計測・制御に関する基本的な内容をすべての生徒に学ばせるよう記述されています。それに伴い、これまで技術分野で取り扱われていた、コンピュータ等の基本的な操作等の内容に関しては、小学校や他教科へ移行することになると予想されます。

  高等学校の普通教科「情報」は、これまで通り必履修教科として国民必須の素養である「情報活用能力」の育成を目指し、専門教科「情報」は高度IT人材育成に対応できる将来のスペシャリスト育成を目指した教科となります。

  普通教科「情報」の科目名については、これまでの「情報A」「情報B」「情報C」から「社会と情報」「情報の科学」となります。「社会と情報」は、コミュニケーション能力や情報の創造力や発進力等を養うなど、情報化の進む社会に積極的に参画することができる能力や態度育成することに重点を置く科目です。同様に「情報の科学」は、社会の情報化の進展に主体的に寄与することができる能力や態度を育成することに重点を置く科目です。

  専門教科「情報」は、これまでと同様に将来のシステム開発者やコンテンツ開発者の育成を目指した教科となります。基礎的科目を充実し、各分野の科目に「開発」と銘打った科目を配置し、グループワーク等の活動で簡単なシステムやコンテンツの開発をさせるなどして、各分野で学んだ内容の確実な定着を図ろうとしています。

【2008年2月2日号】

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