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特集 小学校英語

「英語ノート」デジタル版を授業活用
学級担任による「小学校英語」活動を

茨木市立水尾小学校

 
授業の最初は”英語の雰囲気づくり

 茨木市立水尾小学校(大阪府)は、平成19・20年度「小学校における英語活動等国際理解活動推進事業」拠点校のひとつ。平成20年12月17日、同事業の研究発表大会「地域人材やICTを活用した外国語活動」が同校で開催され、「英語ノート」デジタル版を活用した授業が6年4組(32名)で公開された。授業者は馬場裕美先生。

「行ってみたい国とその理由」英語でプレゼン 積極的に

 今日は「英語ノート」から「行ってみたい国を紹介しよう」の学習だ。これまで児童らは、世界の国の挨拶や国旗、国の紹介、自分の行きたい国について本やインターネットで調べ、まとめるなどの活動を行ってきた。今日はこれまで学んだ英語を用い、自分が行ってみたい国とその理由をスピーチ、クラスメートがどの国に行きたいのか、その理由は何かを興味を持って聞くなど、英語でコミュニケーションすることの楽しさを体験するという活動内容になる。

 Hello! Everyone.Let's start English! 馬場先生のクラスルームイングリッシュから授業は始まる。今日の曜日や天気などを英語で確認、さらに「キーワード学習」を行い、クラス全体の雰囲気を「日本語から英語」へ切り替える。

 「キーワード学習」は、ペアで進めるゲーム活動だ。リズムに乗ってピクチャーカード(今日のテーマは国旗)を教師が発音、事前に決めておいたキーワードが出るとすかさず2人の間に置いてあった消しゴムをキャッチする、というもの。一瞬の緊張感とスリルを味わえるゲーム活動でクラス全体の雰囲気を盛り上げつつ、これまでの学習を振り返る。

雰囲気づくりの後は、「英語ノート」P40に対応した「英語ノート」デジタル版を電子黒板に表示。登場人物3人のスピーチをヒアリングする。「何て言っているのかな? 聞きながらメモしておいてね」
 児童らは手元にある「英語ノート」の吹き出し部分に聞きとったことをメモしながら、真剣に音声に耳を傾ける。「英語ノート」デジタル版と電子黒板を活用すれば、電子黒板をクリックするだけで音声が出るので、教師はCD等の準備をする必要がない。

「何て言っているのかな?もう一度聞いてみよう」とアイコンをクリック

「聴きとれた? なんて言っていた?」
 数人が挙手、聴きとれたことを発表する。「パンダが好き」「中国に行きたい」「名前はヤノ・サチ」など、教師は発言内容を、電子黒板に表示した挿絵の吹き出しに書き込んでいく。
 「次は2人目のスピーチを聴いてみよう。彼は何て言っているのかな」
 計3人のモデルスピーチをヒアリング、意味を確認した後は、児童らのスピーチだ。
 最初はグループごとに「行きたい国とその理由」についてスピーチ練習、その後は全体の前で1人ずつ、発表のために描いたイラスト(「英語ノート」P41に対応)を持ちながら、スピーチをする。

「行きたい国はアメリカ。有名な野球選手を実際に見てみたい」「エーデルワイスが好きなのでスイスに行きたい。スイスでチーズフォンデュを食べ、チーズを作りたい」「ドイツに行って美しい景色をスケッチしたい」「ペルーに行ってラマを見たい」など、夢のあるスピーチが続く。教師は各々の発表後、「クリアボイスが良かった」など、コメントを加える。

当初挙手する児童は数名だったものの、クラスメートのユニークな発表を聞いているうちに、挙手する数が次第に増え、最後にはほとんどの児童が自主的にスピーチを行った。

授業の最後には、自己評価だ。
  big voice  smile  eye contact の3点が評価基準となっており、授業の最初や中途でも評価観点を確認する。クラスの実態に合わせ、子どもたちの活動を促しつつ「英語ノート」デジタル版を活用、授業の目的を遂げる授業展開となった。

「ドイツに行ってスケッチしたい」など各々が英語でプレゼン

子どもたちの感想より

小学校英語については、児童からも前向きな感想が聞かれる。

「5年になって初めての英語の授業は緊張していたけど、だんだん先生の言っていることが分かってきたから、楽しくなりました」「英語の授業を2年間受けて良かったことは、外国に興味を持ったこと。この国はこんな挨拶をするんだな、へんな挨拶だなあと思ったりもするけど、ちゃんと意味があるのだと思うと、知りたくなります」「2年間英語をしたおかげで、東大寺でたくさんの外国人と話しました。話した人に1人、同じ誕生日の人がいました。英語で話ができて、とても楽しかったです。これから外国人にあったら、たくさん話しかけてたくさん外国人の友達をつくりたいです」など、学ぶことへの意欲にあふれている。水尾小学校の英語活動の第一歩は、学級担任の積極的な取組と「英語ノート」デジタル版の適切な活用で、順調な一歩を踏み出したと言えそうだ。

特集2 「英語ノート」デジタル版は紙ベースでできない活動を支援する。

特集3 「英語ノート」デジタル版紹介