連載

【第14回】ICTキャンパス 北海道情報大学

北海道情報大学
電子教科書を使った講義の様子。現在9教科で実施。今後、電子教科書を使う科目を増やしていく予定だ。同学ではモバイルラーニング環境を実現。学生にiPadを配備している。

「mラーニング環境」 実現を目指す

北海道情報大学は、平成26年4月から電子教科書を利用した授業を行っている。

同大学では、文部科学省の平成24年度「私立大学教育研究活性化設備整備事業」に採択された「主体的な学びへ導くためのICT環境構築モデルの開発」にもとづき、「主体的学びに導くための実行プラン」を策定して、ICT環境構築モデルの整備を進めている。
 策定した実行プランにおいては、モチベーションの十分でない学生を、主体的な学びができる学生へと変えるのが主な目的のひとつとなっている。

1・2年生の9科目で 電子教科書を活用

そのために目指しているのが「mラーニング(mobileLearning)環境」の実現だ。その具体策のひとつとして、学生にiPadを支給し、PBL(Project Based Learning)形式のゼミや実習、授業で使えるようにしている。

実行プランに盛り込まれている施策には「iPadを活用したアクティブラーニング」「マルチメディア・アテンション教材の活用」などがあるが、それらとともに計画されているのが「電子教科書と電子教科書配信サービスの利用」だ。

サービス開始の初年度となる26年度は、1・2年生の必修科目で、担当教員の了解が得られた科目について、電子教科書を利用している。

電子教科書を用いている授業は「基礎数学」「プログラミング入門」「メディア技術演習」「医療情報学概論」「医療事務総論」「システム開発基礎2」「情報倫理」「テクノロジーパスポート」「コンピュータ」の9科目。「テクノロジーパスポート」と「コンピュータ」の授業は同一教科書を使っているため、電子教科書の点数としては8点となっている。

電子教科書は、京セラ丸善システムインテグレーションが提供しているクラウド型電子書籍プラットフォーム「BookLooper」を活用している。

BookLooperにはブックマーク、手書きメモ、全文検索などの機能が備わり、利用者にとって利便性が高いほか、管理機能として利用ログの収集やデータ分析も可能になっている。

北海道情報大学事務局長の近藤始氏は「利用ログを収集できることが、他社のプラットフォームにはない特徴だと考えています」と話す。

「増やしてほしい」好意的な意見が多数

電子教科書の利用について、学生は「もっと増やしてほしい」「持ち運びが楽」「教科書すべてがiPadで見られたら、かばんに余裕ができて便利」「ページ数が多い教科書などは電子教科書にしてほしい」というように好意的な意見が多い。

一方、「使いにくい」「書き込みやすさを考えると、電子教科書ではないほうが助かる」「検索機能はあるが、紙の本のような感覚で特定のページを探すのはやりにくい」といった声も寄せられているという。

同大学では今後も、電子教科書を重要なマルチメディア教材のひとつとして扱っていく予定だ。

利用ログの分析も

北海道情報大学学長で、同大学全学教務・FD委員会委員長でもある冨士隆学長は「科目担当教員および出版社と交渉し、電子教科書を使う科目数を増やす予定にしているほか、利用ログの分析や海外の事例研究も行い、電子教材ならではの効果的な利用方法について検討をさらに進めていく考えです」と今後の抱負を語っている。

 

【2015年2月2日】

関連記事

↑pagetop