連載

スマホ時代到来(13) 〜今、大人が知っておきたいこと〜兵庫県立大学 准教授 竹内和雄

猪名川スマホサミット(2)

兵庫県猪名川町の中高生の取り組みを紹介する2回目は、アンケート結果を彼らがどう受け止めたかを紹介する。

■ガラケーとスマホ

ガラケーとスマホ 彼らの予想通りスマホはガラケーより圧倒的に使用時間が長い。3時間以上使用は、ガラケー15・4%に対して、スマホ53・5%と3倍以上である。当然1時以降に寝る割合もスマホが高い。

「やめられへんのや」「LINEかな」「男子はゲームが多い」「パズドラ大流行!」

予想通りの反応だが、親に説教された割合があまり変わらないことへの彼らの言及は興味深い。

「お母さん、知らない」「布団の中だし」「勉強と思ってる」「実態知ったら大変!」「スマホは勉強の敵」
親は彼らの実態を知らない。いや、知られないようにしているようだ。

「親に教えるべき」「このままじゃだめ」「パズドラ地獄」「LINE寝落ち」「自分では制御不能」
そして大人と子供で一緒に考える必要があるとも言う。思春期の彼らが言うのだからよほど切迫した状況なのだ。

この結果、猪名川町では、継続して、大人と子供が会議でどうしていくか考える機会を持つことになった。後日詳説するが、この決議は、彼らと町長、教育長等との座談会へと発展していく。

■課金、個人情報

予想通り、課金についても、スマホがガラケーを大きく上回っている。

「課金はもっと多い」「ついついやっちゃう」「コンビニでカード」「目立つ所で売ってる」

周囲で急激に課金する人が増えているという。最近は、プリペイドカードがコンビニの目立つ場所で売られているので、ついつい買ってしまう、というのが彼らの分析だ。便利になったと歓迎しているが、一方では、「課金を覚えると泥沼」と言う子供も多い。

個人情報については多くの子供たちが「麻痺」という言葉を口にした。

「だんだん慣れた」「写真とかすぐ貼る」「簡単だしな」「最初びびってたけど」「みんなやってるし」
先生はよく怖いというけど、実際大した事件も起きていないから気が緩んでしまうというのだ。正確な情報を伝える必要がある。(続く)

【2014年6月2日】

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