連載

スマホ時代到来(29) 〜今、大人が知っておきたいこと〜兵庫県立大学 准教授 竹内和雄

各地のスマホサミットから

新しい年が始まりました。昨年も多くの場所の「スマホサミット」等に学生と共に関わりました。

スマホサミット1
スマホサミット2
ルールを作る子供たち

2014年はスマホサミット等での私の関与は近畿地方に限定していましたが、2015年は岡山県、高知県、石川県等、少し活動を広げました。そこから見えてきた現状を書いてみます。状況はかなりのスピードで変化しており、地域差も大きいので、概観することは難しいです。あくまで現段階の私見としてお読みください。

(1)ルールづくり

昨年くらいから、ほとんどの場所で、子供たち自身が「スマホのルールを作りたい」と言うようになりました。中学生くらいになると、ルールがあると自分たちが制約されそうで、躊躇する場合多いのですが、最近は「ルールは絶対に必要」「ルールがないとどうしようもない」と子供たち自身が発言します。「スマホに振り回されて、生活がぐちゃぐちゃになる」「何とかしないといけない」…

こんな危機感Dれる声まで多く聞きます。

(2)大人の手助け

非常に驚いたのですが、複数の場所で子供たちから「ルールづくりに大人も関わってほしい」という発言がでました。「自分たちだけでは、この問題は難しいから、大人に助けてほしい」と言います。「私たちは思春期で、大人に頭ごなしに言われると素直になれないので、私たちの意見も充分に聞いてから一緒に考えてほしい」と話します。「大人と子供が一緒に考えて、学校のみんなにルールとして示したい」と言います。

彼らにとってそれくらい深刻な問題になってきたのでしょう。

(3)道徳の授業が必要

「道徳の授業でスマホについてみんなで考える機会を作ってほしい」「先生がスマホをよく知らないから、授業はむずかしいんじゃないかな」「スマホの教材なんてあるのかな?」「教材は私たちが考えたらどう?」

以上は、ある市のスマホサミットでの中学生のやりとりです。彼らは台本から考えて動画教材を作りました。あとはまさに、大人がその教材をどう活用するか、です。ここから先は、大人の手助けが必要です。

■これからのために

長くこの問題に関わってきて、「子供たちの声を聞こう」と言い続けてきましたが、ここへ来て「大人が頑張りましょう」と主張を変えなければいけないと感じ始めています。

 

【2016年1月1日】

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