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ラジオがつなぐ地域交流
プロムナード株式会社
代表取締役社長 田邉 治 氏

「情報発信」から「著作権」を知る〜実体験が社会を生きる自信へ

田邉治氏の写真
プロムナード株式会社
代表取締役社長
田邉 治 氏

  ネットを契機とした犯罪が巧妙化するなか、情報モラル教材も充実してきた。プロムナード株式会社は、ラジオ番組の制作・放送活動を通じた情報モラル教育プログラムを提案している。同社代表取締役社長・田邉治氏に取り組み事例を伺った。

地域の活性化と情報モラル教育

 同社では、平成16年から小中学生を対象とした社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の「親と子の著作権教室」、NPO法人CANVASのワークショップ等にラジオ番組制作システム「プロムナードASシステム」を提供。子どもたちが情報の受発信時に気をつけるべきマナーやルールについて学ぶ機会を作ってきた。

  また「平成16年度専修学校先進的教育研究開発事業」(文部科学省)では、ACCSの協力のもと島根デザイン専門学校(学校法人 第一平田学園)と情報モラル教材を開発。ミニFM電波で不特定多数に対し放送する際に留意すべきルール、マナー、モラルなどを解説した同教材を利用して、同校では地域活性化と情報モラル教育を融合する「過疎地域でのミニFM局を利用した情報モラル教育の実践」を行った。

  実践では4、5名ずつのチームを形成。著作権に関する授業・テストを行った後、「我が校、我が町の魅力」をテーマに「プロムナードASシステム」を利用して各々15分の番組を制作した。地域の人々も協力した番組は、近隣の公立校の校長先生らを前に発表された。

  「授業で手を挙げて発言しないような子がマイクに向かって積極的に話すのを見て驚く先生や保護者も多い。子どもたちにとって教室で発表するのと、マイクを前にした発表では感覚が違うようだ」
  プログラム実施後に改めて行った著作権に関するテストでは、実施前に比べ、平均正解率が14・3ポイント向上したという。

情報発信の自覚育て

 ラジオ放送局をIT化したこのシステムでは、専門的な知識や手間などをITが担うため、子どもたちは企画や取材に集中できる。

  「誰に対して何を伝えたいのか、そのための言い回しは何が適しているのか、プログラムには学校で教える内容が詰まっている」

  テーマ決め、企画の打ち合わせ、取材、進行表の作成、放送といった番組制作の一連の過程で、子どもたちは数々の成功や失敗を体験。地域の大人たちとの触れ合いや級友との意見交換を通して、自らを認めてもらい自信を深めたり、誤用表現や差別用語などの国語力、著作権への理解、他者とのコミュニケーション力、社会のルール、メディアリテラシーなどを身に付ける。

  「教室内での実践も面白いが、番組データを商店街や病院など地域の放送システムで流したり、学校ホームページ上で入学予定者など地域の人々へ発信もできる。子どもの創作性を養うとともに、学校と地域とのコミュニケーションを育むことで地域の活性化にも役立てて欲しい」

  地域やPTAをも巻き込んだ情報モラル教育ツールとして、今後の発展が期待される。

(聞き手 吉木孝光)

【2007年1月1日号】


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