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■学校に行く楽しさを再び

世界15か国利用
  ゲームに隠れたロジック習得

鶴谷 武親 氏
フューチャーインスティテュート
株式会社
代表取締役 鶴谷 武親 氏
 
 

今年3月、世界15か国の教育現場で利用される教材「M in d L a b(マインドボ)」の日本販売が開始された。国内販売を手がけるのは、小学校から高校に対し、情報科カリキュラムの提供や一般教科でのICT教材の制作、授業運営サポートなど学校向けの総合コンサルティングに取り組んでいるフューチャーインスティテュート株式会社。同社代表取締役・鶴谷武親氏に話を聞いた。

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 これまで日本では、共通する文化や価値観を通して情報をやり取りしてきた。しかし、価値観が多様化する現在、以前と同じ方法ではコミュニケーション・トラブルが生じることも多い。思ったことを正しく伝えるためには、論理的な思考力やコミュニケーション力が欠かせない。

 「日本語は情報が曖昧で思考力や論理力の観点から見ると他の言語と比べると弱い。頭の中で考えたことを実際のメディアに置き換えることで、論理的に弱い部分や足りない点に気付くことができる。マインドラボはそうしたアナログメディアとデジタルメディアの組み合わせが実に巧妙に作られている」 マインドラボ(3〜15歳対象)は、「問題解決」や「協力」等のテーマのもと、ラッシュアワー(問題発見を促すパズルゲーム)、ブロックス(協力して陣地を広げる戦略ゲーム)、オセロなど約..種類のゲームで思考力やコミュニケーション力を鍛える教材だ。 ゲームには『思考力』(数的能力や問題解決力、戦略構築力など)、『社会性』(コミュニケーション力や感情理解など)、『感情』(感情コントロール、落ち着きなど)の3つの側面を鍛えるロジックが組み込まれており、子どもはアナログメディア(ゲームをはじめとするグッズ)とデジタルメディア(フラッシュゲーム)を通して、ゲームに隠れたロジックを習得する。ゲームを通して身に付けられるロジックの解説はコンピュータ上で「再生」「再生なし」「連続再生」を選択できるため、授業デザインに応じて利用することも可能だ。

教材の工夫を 昔はピアノや家電など学校にしかないものがあり、子どもも学校に行くことが楽しみだった。それが今では学校にあるものの多くは家庭にもあり、それどころか、PC環境や視聴覚機材は家庭よりも学校の設備の方が遅れているケースも目立つ。以前と比べ、子どもが学校に行く楽しみを抱きにくくなっている。

 「マインドラボを使えば、間違いなく授業を楽しめる。子どもたちが学校は楽しい場所だと感じ、学校へ行くモチベーションになることが何より大事なこと。また指導する内容が多岐に渡り、ますます忙しくなった先生方は教材を準備・工夫することも難しくなった。だが教材を工夫すれば学習効果が高まることを今一度感じて欲しい」そう鶴谷氏はマインドラボの利点を説明する。

 学習効果を高める外部プログラムの有効利用は、先生方の子どもと向き合う時間を創出する数少ない手段の一つ。先生方の積極的な利用が期待される。

(聞き手 吉木孝光)

【2007年5月5日号】