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スマホ時代到来(10) 〜今、大人が知っておきたいこと〜兵庫県立大学 准教授 竹内和雄

スマホ座談会(2)

前回に続いて、現役高校生5人による座談会「スマホと自分たち」の内容を紹介しよう。

―風呂とか食事中も?

「一応チェックしてる」
「臨戦態勢(笑)」
「関係あるときは書き込めるようにしてる」

―めんどくさくない?

「めんどくさい(笑)」
「見てないと、もっとめんどくさくなる」
「ブルッときたら一応見て、自分に関係あったらちょっと書き込む」

―親は何も?

「食事中はうるさい」
「うち食事中禁止だから、ご飯は早めにすます」
「スタンプくらいは一瞬だからばれない」
「2秒!」
「『食事中ごめん』ってスタンプほしいな」
「風呂では普通に」
「湯船でのんびり」

―ルールって必要?

「あっても守らない」
「けど、最近はルール欲しいなぁと思うことも」
「テスト前とかな」
「『LINEでオールで頑張ろう』とか言っても結局勉強できない(笑)」
「やりとりに夢中になって、勉強どころじゃない」
「テスト前は親に禁止されて、って言ってる」
「あと、夜の終了時間は決めたいな。習慣になったらやめられない」

―親に強制的に?

「それもなぁ(笑)」
「でも、親との約束で11時に離脱する子、時々うらやましい」
「昔はかわいそうだったけど、自分の時間もほしいなと」
「ほんとは友達同士でルールが作れたらいいんだけど」
―話し合わないの?
「だって難しい」
「『うちらとやるのいやなん?』とか思われそう」
「みんなもホントはいろいろ思ってると思う」
「面と向かってはなかなか言えないよね」

■彼らの言葉の意味

 彼らはもちろん、スマホを楽しんでいる。友達とのやりとりだけでなく、調べ物やゲーム。

 しかし、スマホに四六時中縛られている生活に疑問を感じ、何とかしたいと考えているのも事実だ。

  私たちの社会はまだ、この便利な機械とのつきあい方についての知恵の蓄積がない。親としての躾の方法、ルールづくりも万人が試行錯誤状態。子どもたち自身も実はかなり戸惑っている。

  彼らの話の中で、「口うるさい親がいる人がうらやましい」という発言が何度も出た。このあたりにこの問題の核心があると感じている。

■親として大人として

  この種の問題は子どもたち自身に話し合わせることが大切だ。私が常々主張していることだが、最近は、その前提として、彼らに私たち大人の見解を伝える必要があると感じている。ただ大切なのはその伝え方である。闇雲に危険さを煽ったり、彼らの不道徳をなじるだけでは彼らの心のシャッターが降りてしまう。

  子どもたちと話していて、「今問われているのは、私たち大人の姿勢だ」と痛感している。(続く)

【2014年3月3日号】

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