修学旅行出発式を東京駅で実施

お金では買えない思い出と学びを

修学旅行出発式

修学旅行専用列車を見送る、
JR東海の中田東京駅長

 5月、6月は中学校の修学旅行がピークを迎える。今年も日本全国で、子どもたちが団体行動を通して友情を深め、日本の歴史・文化を学び、様々な体験学習に挑戦し、お金では買えない思い出を作っている。

  一方、その修学旅行を成功させるために、受け入れ側である交通、宿泊、見学・体験、計画する教員、実行を後押しする保護者など、各所における関係者の努力があることも忘れてはならない。

  東京駅ではゴールデンウィークが終わってすぐに、東北、信越、関西方面へ向けた修学旅行の出発、各方面からの到着ラッシュが始まり、そのセレモニーも開催され、今年の修学旅行がスタートした。

 

安全で実りある旅を願って

 多くの子どもたちが心待ちにしている修学旅行。今年もそのシーズンが始まった。ゴールデンウィークのにぎわいが終わった東京駅は一変して、東京を出発する、東京に到着する多くの修学旅行生の団体を目にする季節となった。5月には、東京駅で東西へそれぞれ向かう修学旅行生を見送る出発式が執り行われた。

千葉県8校が関西へ―関東地区公立中学校修学旅行委員会<全修協>

修学旅行出発式

JR東海の職員に代表の生徒が感謝を述べる

 関東地区公立中学校修学旅行委員会(以下:関修委/事務局:公益財団法人全国修学旅行研究協会内)は5月8日、JR東海の新幹線ホームにて「平成25年度関東地区公立中学校修学旅行出発式」を開催。千葉県内8校の中学校が、7時47分発のぞみ号専用臨時列車で関西へ向けて出発した。

  出発式には代表校として鎌ヶ谷市立第五中学校、印西市立木刈中学校、千葉市立白井中学校、柏市立柏第四中学校、松戸市立第二中学校の校長と生徒代表が、JR東海からは東京駅の中田邦彦駅長、生徒らが乗車する運転士と車掌など計4名が参加した。

  開会に先だち、関修委の守屋勝利運営委員長(行田市立行田中学校長)は、「今年は関西、東北、信越へ793校が新幹線を使って修学旅行に行きますが、みなさんはその第一弾です。東日本大震災以降、いかに安心安全な修学旅行を行うかが課題となっておりますが、関係者の努力により今年度も安心安全で充実した修学旅行にしていきたいと思います。歴史、伝統、文化を学び地元のみなさんと交流を深め、支えてくれた先生、保護者、JR関係者に感謝して楽しい3日間にしてください」とあいさつ。

安心安全運行に
感謝の気持ちで

  鎌ヶ谷市立第五中学校の渡邊莉旺さんは、生徒を代表して「日頃から家族旅行で電車を利用しますが、いつも思うのはJRの皆様のおかげで安全で安心して楽しむことができるということです。修学旅行のために友人と協力して準備を進めてきました。感動を味わい、良い思い出を作り、その経験を生かして学校生活を送りたいと思います」と感謝と決意の言葉を述べた。

  また、全国修学旅行研究協会の岩P正司理事長からは、「お金では買えないお土産を得て来てほしい」と述べ、JR東海東京駅の中田駅長は、「事前にいろいろ準備し勉強もされたことでしょう。その成果の場になればと思います。お土産をいっぱい抱えて、また東京駅に帰ってきてください」と見送った。

  関修委の今年度の計画輸送校は、793校で11万6741人を予定しており、そのうち関西方面が787校、東北・信越が6校となっており、埼玉県の322校(すべて関西)が最大の利用数となっている

東北・信越・関西へ新幹線で出発

東北への第一弾が出発―東京都中学校長会修学旅行対策委員会<日修協>

修学旅行出発式

やまびこに乗り込む多摩市立諏訪中の生徒

 東京都中学校長会修学旅行対策委員会(事務局:公益財団法人日本修学旅行協会)は、5月14日、JR東京駅の地下で「東京都公立中学校東北方面修学旅行出発式」を開催。東京都多摩市立諏訪中学校の109名が、9時40分発のやまびこ55号で岩手を中心とした東北方面の修学旅行へと旅立った。

  出発式の開催にあたり同委員会の小川達夫委員長(板橋区立志村第四中学校校長)は「東日本大震災後、JR各社が総力をあげて対応してくださり、無事に修学旅行を行うことができたことを感謝申し上げます。また、日本修学旅行協会の方々の支援のおかげで円滑な修学旅行を行うことができます。このように修学旅行は様々な方の支えがあって成り立っています。何か月も前から校長先生をはじめとする先生方の指導のもと、みなさんは準備を進めてきたと思いますが、この準備を活かして良い修学旅行にしてください」とあいさつ。

初めての新幹線
一つ一つを思い出に

  生徒を代表して同校生徒会長の波多野壮伸さんは「初めて新幹線に乗るのでとても楽しみにしてきました。修学旅行に向けて行ってきた準備、これから伺う農家での体験学習、新幹線内での友達の会話など一つ一つが思い出となり忘れることはないでしょう。JRの方々の協力で修学旅行に旅立つことができます。皆様の協力と期待を裏切らないように、公共交通機関のルールを守って新幹線での旅を楽しみたいと思います」と修学旅行への期待と感謝の言葉を述べた。

  続いて、感謝の気持ちを込めて生徒からJR関係者に花束を贈呈。JR東日本東京駅の谷口善秀副駅長は「皆さんは多くの方々のおかげで修学旅行を行うことができます。ぜひ感謝の心を持って出発してください。私たちも皆さんを安全に現地までお届けできるように頑張ります。地元の方々や現地の自然と触れ合って良い思い出を東京に持ち帰ってください」とあたたかく見送った。

  平成25年度、東京都公立中学校では、東北・上越新幹線を819名、東海道新幹線を7万5340名、合計7万6159名が修学旅行で利用する予定。

【2013年5月20日号】

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