“食の大切さ”6年で高まる【農林中央金庫】

現代高校生の食生活、意識と実態調査

  農林中央金庫は、今年3月に首都圏の高校生400名(男女各200名)に、「第2回 現代高校生の食生活、意識と実態調査」を実施。併せて、6年前に今回とほぼ同じ条件で行った第1回調査とも比較しながら、この6年間に高校生の食意識がどのように変化したかを検証した。

  6年前と比較して明らかになったのは、家族との「食」を大事に思う気持ちの高まりだ。食事中に「家族と話をする」と回答している生徒は前回の70・3%から85%へ、食事を残すと「もったいない」と感じる割合は37%から73・5%へ、「食事の手伝いをする高校生」は、60・5%から79・3%へと変化した。

  この6年の間には、食育基本法施行後の栄養教諭、学校栄養職員による食育の成果や、不況や震災などの社会的情勢も大きく影響していると推測できる。

昼食は弁当派が 20%以上の増加

  まず、一日の最初の食事となる朝食については、週に家で食べる回数を聞いたところ、「毎日」が72・5%と、前回の68・8%から約4ポイントと微増しているが、一人で食べる割合は増加。

  昼食は、「弁当を親に作ってもらう」が、88・8%を占めており、前回調査の65・5%から20ポイント以上増加し、昼食のメニューも弁当派が増加したことを反映してか、「ごはんとおかず」が91・3%となり、こちらも前回より20ポイント以上増加した。

  夕食は、1週間のうち「毎日」家で食べる生徒が77・8%を占めているが、前回から3・2ポイント減少し、週平均は6・4回。
家庭での食事時間は、「家族と話をする」(85%)、「テレビを見る」(84・3%)が8割台で、「家族と話をする」は前回より約15ポイント増加したが、「テレビを見る」も前回より増加した。

「もったいない」 約2倍に増える

  食事を残すか、残したらどう思うか、についての問いに対しては、全体の6割が「残すことはない」(60・8%)と回答している。残してしまった場合、「もったいない」と感じている生徒は73・5%と、前回の37%から倍近く増加。「作ってくれた人に悪い」という感情も多くの生徒が抱いているようだ。

  その背景には、震災以降の変化もあるようで、「なるべく残さず食べるようになった」という回答が47・8%に上り、「食べ物の大切さを感じた」「安全な食品を求めるようになった」「家族の大切さを感じた」などの回答があがった。

食の関心 第1位 「料理の作り方」

  また、食生活の変化と同時に食への意識も変化している。

  食について高い関心がある項目は、男女ともに「料理の作り方」で61・8%となった。特に、男子は前回の1位が「特にない」、女子は「カロリー・ダイエット」だったことから考えると、劇的な変化を見せている。

  食の関心について、全体の第2位は「おいしい食品・店」、3位「からだに良い食べ物」、4位「栄養」「正しい食べ方、マナー」となっており、多くの高校生が食への多様な関心を見せていることが伺える。

 

【2012年6月18日号】

<<健康・環境号一覧へ戻る