【子どもの健康と電磁波】教職員用ガイドを配布―電磁界情報センター

 

基礎知識や健康影響を解説 養護教諭へ啓発を

子どもの読書活動推進フォーラム

 パソコン、携帯電話、テレビ、ゲームなど、電力を使った製品はもはや日常生活でなくてはならないもので、使用しない日はないだろう。だが、電気を使う時に発生する「電磁界(電磁波)」が我々の健康に何か影響を与えているのではないか、それは大人よりも子どもに影響があるのではないか、と漠然と思う人も少なくない。保護者から質問を受けた時、どのように対応したらよいのだろうか。

  世界保健機関(WHO)は、1996年に国際電磁界プロジェクトを発足させた。そしてWHOは商用周波磁界と小児白血病との疫学研究からの限定的関連性を認めたが、それを裏付ける生物学的証拠は得られず、因果関係を否定。その上で、仮に関連性があったとしても公衆衛生的インパクトは限定的であるとの見解を示した。

  2008年には日本でも「電磁界情報センター」が発足し、同センターでは「教育現場における電磁界の知識啓発検討会」(議長:衞藤隆氏/日本子ども家庭総合研究所所長)も設けた。3年間検討会を続けた成果は昨年、学校教職員用の電磁波説明ガイド「子どもの健康と電磁波『電磁波は危ないの?』」という形になった。

  同ガイドブックには、電磁波の健康影響について正しく理解できるように、電磁波の基礎知識、想定されるQ&A、家電製品の電磁波の数値などが記載されている。同センターの大久保千代次所長は「まずは、子どもたちの健康に関して保護者の相談を受ける養護教諭の皆様に知っていただきたい。電磁過敏症など、特に問合せの多いものについても説明しています」と、まずはパンフレットを養護教諭中心に読んでほしいと考えている。

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問合せ=03・5444・2631(電磁界情報センター)

 

 

【2013年5月20日号】

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