リーダーに学ぶ 経営観/教育観

【第2回】<後編> 認定キッズコーチ、キッズコーチ検定も開始「人をひきつける」人材の育成が重要 島根 太郎 代表取締役社長

株式会社キッズベースキャンプ 島根 太郎 代表取締役社長

株式会社キッズベースキャンプ
島根 太郎 代表取締役社長

1965年東京都生まれ。中央大学商学部貿易学科を卒業し、クリスマス輸入雑貨事業、自然食事業等を経て2003年(株)エムアウトに入社。05年よりキッズベースキャンプ事業に携わり、06年5月より同事業部長に就任、07年9月より、分社化により現職。

 学童保育システムを備えたアフタースクールとして、7年の実績を持つキッズベースキャンプ(以下=KBC)。成長してきた原動力には各店舗にいる「キッズコーチ」の存在が大きい、と島根社長は話す。採用倍率30倍の狭き門をくぐりぬけてきた人材は、保育士や教員免許の有資格者、一般企業の経験者と多様だ。

人・チームを育て 新しい価値の創造を

  彼らに求められる力は、「コーチング力」。「コーチングは、子どもたちを育てる在り方です。認めて、褒めてあげることが大切です」。それは社長として、部下へ対しても同じ姿勢を貫いている。「人を育て、チームを育て、新しい価値を創造していくことが、私のリーダー像です」。

  また、「キッズコーチ」はKBCが作り上げたものだが、それをKBCだけのものにしようとは考えていない。業界全体の底上げを考え、学童保育のプロ「認定キッズコーチ」の資格認定を始めた。業界知識や小学生の発達心理、コーチング技術、保護者とのコミュニケーションスキル、イベント企画やリスクマネジメントまで、幅広い知識と実践力が身に付けられる。

キッズコーチの定着を

  さらに、昨年から「キッズコーチ検定」も開始。サービス、小売、医療などの現場で子どもと関わることの多い社会人、子育て中の親、学生など様々なジャンルの人が受検している。地方にもキッズコーチのノウハウが広がるはずだ。

  「“ウエディングプランナー”をしのぐ、あこがれの職業にし、全国に“キッズコーチ”の定着を広げていきたいと思っています」

  もちろん教員も、これら制度の対象だ。特に「認定キッズコーチ」の講座は、コミュニケーションスキルを高めたいという教員も受講している。

  「教員は、社会人としてのマナーや意識を学び、潜在的能力を発揮し、さらにそこに人をひきつける人間性が求められているのではないでしょうか。社会人採用枠の拡大や、企業への長期派遣など学校の改革が必要な時です」。

作りすぎたら壊せ ブレない思いの大切さ

  4つの会社を経て、KBCを起業した島根社長。サプライズが好きで、それを創造する仕事がしたい、と2社目で輸入雑貨の会社に入社。商売や経営のイロハを教えてくれた社長から、「作りすぎたら壊せ」という言葉をもらった。「今でも忘れられない言葉です」。ブレない自分の芯が、大切ということなのだろう。

  その言葉を片隅に置き、様々な「経験」を積んできた島根社長は、「子どもと女性に喜んでもらう」社会作りを一貫してきた。KBCの事業も、当初の理念からほとんどブレていないという。事業は順調で、沿線の様々な場所から出店の要望があがっている。

  「でも完成されたとは思っていません。認定キッズコーチとキッズコーチ検定を運営するため社団法人も立ち上げました。第2の成長期です。一つひとつ定着し成長していきたいと思っています」

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【2013年9月16日号】

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