「和食」12月上旬にユネスコ"世界遺産"登録へ

日本人の伝統的な食文化「学校給食」でも継承を

 「和食」が世界遺産に登録されることになりそうだ。10月22日、「和食 日本人の伝統的な食文化」が、ユネスコ無形文化遺産保護条約政府間委員会の補助機関による勧告を受けた。今後は、12月2日から7日にアゼルバイジャンのバクーで開催される第8回政府間委員会において、ユネスコ無形文化遺産保護条約「代表一覧表」への記載に関する最終決定となる見込み。

■食に関する世界遺産 「和食」で5つ目に

  「和食」が世界遺産に決定すると、「フランスの美食術」、「メキシコの伝統料理」、「地中海料理」、「ケシケキの伝統」(トルコ)に次ぐ食に関する無形文化遺産の誕生となる。

  今回の「和食 日本人の伝統的な食文化」は、「自然の尊重」という日本人の精神を体現した、食に関する社会的慣習として提案したもの。「新鮮で多様な食材とその持ち味の尊重」、「栄養バランスに優れた健康的な食生活」、「自然の美しさや季節の移ろいの表現」、「正月行事などの年中行事との密接な関わり」をその内容とする。

  これを継承していくために、保護措置として学校給食や地域の行事での郷土料理の提供、親子教室等の各種食育活動、郷土料理や食文化に関するシンポジウム等を行っていくことが重要となる。

  10月22日の勧告を前に、東京・大阪・フランスに職のプロを育成するスクールをもつ辻調グループは、10月9日から11日の期間「和食」に関するアンケート調査を実施(インターネット調査/20〜60代男女572名)。

■世界遺産嬉しい82%

  「和食」が世界遺産になることに対し、82・4%の人が嬉しいと回答しているものの、政府が、ユネスコ世界遺産に「和食」の登録を申請していることを知っていた人は、36・2%と4割に満たないこともわかった。

■重要な要素と回答は 77%が季節の食材

  また「和食」を構成する要素として重要だと思うもので最も票を集めた要素は、「季節の食材」(76・6%)。そして「盛り付けの美しさ」、「季節感の表現」と続く。

  保護措置である学校給食において、和食の継承は今後さらに重要な意味を持つことになりそうだ。

■農水省が募集中 私の「和食」宣言

  農林水産省では、現在、「和食・日本人の伝統的な食文化」を次世代に向け保護・継承していく機運向上のため、「私の『和食』宣言!」を募集している(12月13日必着)。

  内容は「いただきますをちゃんと言います!」「食育授業で食文化を教えます!」「旬の野菜を選ぶようにします!」など。集まった宣言は、農林水産省が運営するFacebookページ等で紹介される。

【2013年11月18日号】

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