初開催で2千作品 給食への感謝つづる―「心に残る給食の思い出」作文コンクール開催

 (公社)日本給食サービス協会は、今年度初めて「『心に残る給食の思い出』作文コンクール」を実施し、1月16日に表彰式が行われた。全国の小学生から2008作品が寄せられ、文部科学大臣賞をはじめ計9名の入賞が決定した。

「心に残る給食の思い出」作文コンクール

文部科学大臣賞を授与される
大阪府の野本更紗さん

 同コンクールは、子どもたちに毎日の給食を通して気づき、学んだ、食と食事習慣の大切さ、作り手や生産者への感謝の気持ち、農林水産業の重要性や日本の風土・文化等について自分の言葉で作文にまとめてもらい、次代を担う子どもたちの健全な成長を促すことが目的。

 服部幸應審査委員長(服部栄養専門学校校長)が「心に訴える作品が多くすばらしかった」と話すように力作が揃い、文部科学大臣賞は、大阪府吹田市立山手小学校5年・野本更紗さんが受賞した。

 また、農林水産大臣賞は東京都江戸川区立下鎌田小学校6年・峯鼓太郎さん、農林水産省食料産業局長賞には、兵庫県明石市立沢池小学校4年・山野井裕紀さんと、静岡県浜松市立伊佐見小学校6年・大杉明日香さん、日本給食サービス協会会長賞には、福島県西郷村立米小学校4年・尾股朋香さん、同県いわき市立郷ヶ丘小学校4年・内田夏海さん、同県いわき市立中央台東小学校4年・三浦真依さん、広島県呉市立阿賀小学校5年・藤賀友梨さん、埼玉県春日部市立幸松小学校6年・唐木秀徳さんが決まった。

魔法のにんじんが児童に与えた影響

 文部科学大臣賞を受賞した野本さんの作品『魔法の当たりにんじん』は、クラスの友人と口げんかした日に出た給食のたまごスープの中に、「"ニンジン嫌いの子に食べてもらいたい"と調理員さんが願って作った汁物に入れているハート型や星形のにんじん(自分のお椀に入っているとその日一日いいことがあると言われている)」が、偶然にも口げんかした友人と自分に入っていて、それにお互い気づき、「ごめん」と謝りあったことを作文にした。

  その日は2人で一緒に帰り、野本さんは「魔法の当たりにんじん」と呼んでいるのだという。
栄養士や調理員の愛あるひと工夫が、児童に大きな影響を与えた好事例だ。

【2014年2月17日号】

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