連載:親子で楽しむ日々の新聞活用 42回

「料理レシピ」の活用をー全国新聞教育研究協議会顧問・鈴木 伸男 

小さなコラムから調べ学習 社会・理科・食育にも発展

新聞にはニュース、意見・論評以外にもさまざまな記事が載せられています。日々生活する上で役に立つ情報・知識に関する記事を、楽しみにしている人も多いかもしれません。生活・家庭欄(面)はその典型で、生活百科といってもよいです。多くの新聞でこの紙面を充実させていますし、新聞の違いはこの欄に顕著に表れています。

さて、この欄に、朝日・毎日・読売の三紙共通して載っている小さなコラムがあります。それは料理レシピで、「食卓の一品」(毎日)、「料理メモ」(朝日)、「夕食クリップ」(読売)とタイトルが付いています。

一番新しく登場した「夕食クリップ」でも10年、「食卓の一品」は30年も続いている人気のコラムです。字数はわずか300字程度、毎日異なるレシピを継続していることは驚きです。

三紙の共通点は、簡単で、安価で、季節感を考慮していることです。今晩の食事の用意に困った時など、1週間分のこの欄をめくってみると何かヒントが浮かんでくると思います。

さて、夏休みの終盤を迎えた今、親子で夏休み中のこれらのコラムから1つ、2つ選んで料理に挑戦してみてはいかがでしょう。新聞では「主な材料」「作り方」のみの掲載で、初めて知る料理名、食材も出てきます。

8月9日の「料理メモ」には、サルサ、みじん切り、さらし、同「食卓の一品」には、コンソメブイヨン、白ワインビネガー、キャラウェイシードなど、料理未経験の小・中学生やお父さんには分からない言葉かもしれませんが、料理の本や大型の辞書等で調べることも勉強になります。

料理を作るだけではなく、1枚のカード(画用紙など)に「新聞記事」「作成中の親子の写っている写真」「完成した料理の写真」などを貼り、「詳しいレシピ」「意味の分からなかった言葉・食材の説明」「作った感想」「家族の食べた感想」などを書き込むと「私だけのレシピ」として宝物が完成します。

これは立派な家庭科の宿題になりますが、食材の産地や価格に注目すれば社会科の自由研究にもなりますし、ネギ1本などの量を重さや体積で科学的に表し、理科という観点でまとめることもできるでしょう。食材を集め1つの料理を作ることを通して食の安全、自給率など「食育」に広げていくことも可能です。

【2014年8月18日号】

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