「次亜塩素酸水」の活用

 学校給食の調理において重要かつ課題である「衛生管理」。ノロウイルスやO‐157など、年間を通じて食中毒への対策には最大限の配慮がなされている。学校給食では生野菜の提供は行われていないが、果物は提供されており「洗浄」は大きな課題だろう。そこで、活躍してくれるのが、食品業界でトレンドになりつつある「次亜塩素酸水」だ。

給食の衛生管理に寄与
より安全・低コストの電解水

 次亜塩素酸水の使用 大量調理で明文化

 (株)イースタンエンジニアリングが販売する微酸性電解水生成装置「コア・クリーン」で生成する電解水「微酸性次亜塩素酸水(コア・クリーン水)」は、食品の1次汚染や2次汚染などの細菌による汚染を、水洗いで未然に防ぐ。

 従来、衛生管理に欠かせないのは「次亜塩素酸ナトリウム」とされてきたが、平成14年には、「次亜塩素酸水」が人の健康を損なう恐れがないことから「食品添加物」として指定され、食材の洗浄殺菌にも使用できるようになった。さらに、平成24年5月に厚生労働省が「大量調理施設衛生管理マニュアル」で「微酸性次亜塩素酸水」の使用を明文化。

次亜塩素酸 グラフ
手洗い後の細菌
手洗い前(左)と水道水30秒+コア・クリーン水
15秒の手(右)

「次亜塩素酸ナトリウム」は、上水道やプールの殺菌に使用され、独特の臭気をもたらす。それに比べ「次亜塩素酸水」は、塩素ナトリウム濃度を低く抑えながら殺菌力を高められ、塩素臭も少なく色もないのが特長だ。
通常、除菌水と同じ除菌効果を得るために「次亜塩素酸ナトリウム」は高濃度(200ppm)が必要なのに対し、「次亜塩素酸水」は低濃度(10〜80ppm)で済む。

 さらに、除菌効果は一般的な「次亜塩素酸ナトリウム」より約18倍となる(図参照)。写真のように、水道水で30秒洗浄+コア・クリーン水で15秒洗浄した後の除菌力は明確だ。

 防災対策での登録も 非常時にも貢献

 また、非常時の水対策にも適しており、高知県では防災関連登録製品に認定。そもそも電解水は、1994年に自衛隊がルワンダでのPKO活動で電解水生成装置を使用したことで注目された。劣悪な衛生環境下における隊員の活動でも感染者が出なかったという。

 同社の樋口寛氏は「これから冬季に向けて、ノロウイルスやO‐157などへの抵抗力が弱い子供たちの衛生管理のために、この電解水が果たす役割は大きい」と話す。

 学校給食の調理場に、また子供たちの手洗い環境の整備に、より安全・低コストで環境にも優しい電解水だ。

 

【2015年9月21日号】

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