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秋田県 学力日本一の秘密を探る

IMETSフォーラム/教育工学研修中央セミナー

 第38回教育工学研修中央セミナー・IMETSフォーラム2011が8月4、5日の2日間、東京都内で開催され、約300人の小中学校教員が研修に参加した。小学校コースでは「秋田県 学力日本一の秘密を探る」を演題に、秋田市立桜小学校研究主任を務める佐川喜一教諭が講演した。

家庭学習は毎日 TTと教科担任制導入 全国学力テストは全職員で採点、分析

 桜小学校の国語や算数の全国学力学習状況調査結果は秋田県の平均以上だ。同校には「学習ルール」がある。鉛筆は5、6本、消しゴムは白のみ、ペンは赤と青。シャープペンシルや白以外の消しゴムは不可だ。家庭学習は毎日行う。
 授業では、「協働して自立へ向けた学びをつくる」をテーマに日常的にティームティーチング(以下、TT)を実施、教科担任制を一部導入している。国語、理科、社会、音楽、体育、書写は教科担任が行い、算数、体育はTTで行う。TTでは、担任が一時間の進行を担い、TTは板書などを担当。課題によっては3人で授業を行う。

朝は「音読」から 家庭学習は毎日

 朝は「音読タイム」から始まる。「朝の詩」を決め、学級ごとに朝の会で実施。詩は月ごとに変わり年間計画も立てる。1行ごと、連ごと、グループごと、ソロを決めて、など音読方法も工夫し、学年や学級で定期的に音読集会も実施、発表の場を設ける。

 家庭学習は、1年生は毎日1ページ程度、2年生以上は毎日2ページ。高学年は1ページ1教科で、家庭学習の時間は学年×10分間が目安だ。家庭学習ノートの好例は紹介や展示などで成果の報告や共有も行う。

  家庭学習をしてこない子は稀だ。他県からの転入生は毎日の家庭学習に慣れるまで2か月ほどかかったという。

  家庭学習リレーノートも独特の試みだ。リレーのように家庭学習ノートを学級でまわしていく。これにより、子どもも保護者も他の子どもがどのように家庭学習を進めているのかが分かる。

1分間スピーチも スピーチノートに

  1分間スピーチは全学年で行う。年間計画を立て、系統的に実施される。各学年でスピーチテーマを決め、各自のスピーチノートに原稿を書いて発表する。400文字程度が目安で、1年生は「マル3つ(文3つ)」から始める。「原稿を準備してスピーチ」、「説明するモノを用意してスピーチ」など、一方的なスピーチにならないよう工夫して取り組む。

全国学テを分析 弱点を強化する

  全国学力学習状況調査も利用しており、全職員で調査後1週間以内に採点し、エクセルに入力、5月下旬までに分析を行う。平均正答率や誤答傾向から、日常の授業の弱点を見つけ、強化できるよう7月の全体研修会で、国語部、算数部、学力向上部ごとに改善の方向性が提案される。

  秋田市基礎状況調査、秋田県学習状況調査、秋田県単元評価問題結果から、補充の必要な内容の検証と改善を1月から3月にかけ実践し、報告書にまとめる。

  秋田県を2年連続訪問した日本女子大学の澤本和子教授は、「TTの成功事例は稀。日本の学校教育制度において、TTの理解と実行する準備ができていないと言われている。TTの成功には教師の社会性が重要だが、桜小では成功している」とコメントした。

  佐川教諭は「やればやるほど多忙になるが、率先した取り組みが日常的になっており、クリエイティブな雰囲気が学校に満ちている」と報告した。

【2011年9月5日号】


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