教育家庭新聞・教育マルチメディア新聞
TOP教育マルチメディア>記事
最新IT教育―実践、成果を報告―ICTフィンランド教育バックナンバー

教育マルチメディア

教育の情報化 保護者も期待

JAPETと日本MSが調査

 教育の情報化やICT活用について、一般教員や保護者はどう考えているのか――学校関連調査は通常、教育委員会担当者や学校管理職であることから、一般教員や保護者の意見を明らかにする意図で、日本教育工学振興会(以下、JAPET)は日本マイクロソフト社と共同で、学校でのICT活用について一般学校教員及び保護者を対象に調査。1月31日に公表した。それによると、保護者は子どもが情報化社会に対応するための能力を身につけるために学校における教育の情報化を望んでいることがわかった。教員サンプルは1119件(小学校513、中学校258、高等学校258、特別支援学級・校90)。保護者サンプル624。

◇  ◇  ◇

電子黒板
平成23年度文部科学省主催「国内のlCT教育活用
好事例の収集・普及・促進に関する調査研究事業
」関東甲信越ブロック研究発表会が開催された。
市川市立身間小学校の授業公開では、各グルー
1台のTPCで意見や考えをまとめ、電子黒板で発表
した。千葉県立袖ヶ浦高等学校情報コミュニケー
ション科では、全員がiPad2を所有。個人の調べ学
習や資料提示、発表活動などに活用している。

  保護者が子どもに身につけてほしいと考えている力として、日本語の言語力、計算能力、運動能力、PCなどのITスキル、芸術的センスなどを選択肢として質問したところ、ITスキルに関しては子どもの年齢が上がるにつれて身につけてほしい能力として高くなっている。小学校高学年では51%、中学校では58%の保護者が身につけてほしいと考えており、高校生を持つ保護者においては、英会話に次いで2位となっている。

  子どもが情報化社会に適応する力を身につけることは重要であると考えている保護者は全体で90%。こちらも学齢が高くなるほど必要だと感じる保護者は多く、高校生の保護者97・2%が重要であると考えている。

■ICT活用率は小学校に次いで特別支援学校が高い

  教員もICTの積極的な授業活用に積極的だ。小学校では91・8%、中学校では84・1%、高等学校では76・7%がICTの授業活用に賛成している。

  勤務学校におけるICT活用について、一般教科での活用率が最も高いのは小学校(51・1%)。次いで特別支援学校(47・1%)だ。高校では74・5%が、活用されていない。

  「総合的な学習の時間」でのICT活用度は比較的高い。特に小学校では高く、83%。中学校では73%、高校でも53%が活用している。調べ学習や成果物の作成など、総合的な学習の時間でPCやインターネットを活用するという流れが根付き始めているようだ。なお中学校での技術家庭においては83・1%がICTを授業に活用している。

  授業や校務におけるICT活用について肯定的な教員が多いものの、ICT活用を促進するには、普通教室のICT環境の常設化や教材コンテンツの整備、ICT支援員など人的支援環境が必要であると考えている。

  「うまく使いこなせない」、「授業での活用方法がわからない」、「ICTを活用した授業効果に疑問」などの回答は少なく、完全整備によって解決できる課題が多いことがうかがえる。

  校務用PC整備は進しているものの、100%には至っておらず十分とは言えないこと、校務に関しても個人的な活用がまだ多く、組織的な利用には至っていないことも推察される。

詳細レポート=www.microsoft.com/ja-jp/education/ict_report.aspx

【2012年2月6日号】


記事のご感想をお寄せください

新聞購読お申し込みはこちら

↑PAGE TOP

HOME教育マルチメディア記事一覧