“反転授業”で学習課題を解決する

センター古文Aで反転授業―熊本壺溪塾学園

Thinkboardで動画を作成

  熊本壺溪塾学園は、昭和5年に設立した予備校だ。同校国語科主任甲斐資子講師は今年度から、古文(センター古文A)で反転授業を活用している。

配信管理はLMSで

  講師はオンライン向けの授業を制作、学習管理システム「LMS」で配信する。配信・管理等のベースとなる「LMS」は、「ThinkBoardLearningManager」を使用。特別な知識は不要で容易にコンテンツを配信・管理できるという。生徒は家庭などでその授業を視聴し「LMS」を通して感想を提出。講師は生徒の視聴履歴や感想を確認、コメントを送信、授業での課題を明らかにしてから授業を行う。コンテンツ制作にはソフトウェア「ThinkBoard」を使い、音声入力用にヘッドセット、手書き入力用にペンタブレットを用意して画面に文字や声を追加していく。

生徒の視聴傾向や学習履歴をグラフ化

  甲斐講師は本システムのメリットについて「コンテンツの制作・修正が容易で、ファイルサイズが小さく配信・管理しやすい。倍速から4倍速再生まで対応できるので、生徒は倍速で見たり、一時停止したりなど、積極的に視聴に関わることができる。1人ひとりの学習履歴の確認もひと目でできる」と述べる。

  任意の生徒の視聴履歴を選択してグラフ化されたものを見ると、繰り返し見ている生徒、どこを一時停止し、どこを倍速で視聴したのかなど、1人ひとりの視聴の流れが分かる。複数生徒の視聴グラフを重ねて比較することもできる。これにより講師は、生徒がどの部分を難しいと考えているのかを事前に確認することができる。

  対面授業では生徒のオンラインで配信される授業に対する感想や視聴傾向を反映し、演習問題の解説、討議などを行う。
反転授業を継続するにつれ、「受け続けることで力がつくという確信を持てる」「コメントの返信に励まされる。新手法の授業に満足」など生徒の評価は概ね高い。オンライン授業の制作や感想の返信については手間がかかるが、予習や事後の質問に対応する時間などを考えれば、それほどの手間ではないと話す。

【2013年10月7日】

関連記事

↑pagetop