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連載 小学校外国語活動元年に向けて

小学校外国語活動元年に向けて (1)
外国語活動、担任主導こそが理想

暁星小学校 英語科主任 岡澤永一氏

岡澤永一氏
暁星小学校 英語科主任
岡澤永一氏

 来年度より完全実施となる小学校での外国語活動(以下、英語活動)。今までの総合的な学習内での活動とは異なり、独立した英語活動として年間35時間が確保されます。指導者は担任を基本としていますが、ある調査によると小学校教師の約6割がそのことに不安を感じているようです。不安要因の大半は発音や流暢さなどの教師が発する英語についてで、ALTやJTE*が主となり英語活動を進めてほしいという意見も多くあります。

 教師の英語は児童の見本となるため、たしかに大切です。しかし、英語活動本来の目的から考えれば、それは一要素に過ぎません。英語活動でなによりも重要なのは、児童が心から英語を聞きたい、答えたいと思える場を設定し、コミュニケーション手段としての英語活用を体感させることです。また、活動を主導する者は、次の理由から担任が最も適しているといえます。

 担任は日々のかかわり合いの中で、児童の性格を熟知しています。そのため活動中も、発言したいけれど尻込みしている、答えられないから指さないでほしいなど、個々の異なる信号を正確にキャッチし対応できるのです。さらに、児童の嗜好やクラスの流行などをつぶさに把握しており、活動の題材選択も的確です。
 また、他教科の内容を横断的に組み込んだ活動の立案・実行は、複数科目を教える担任が得意とするところです。たとえば、英語での都道府県や歴史のクイズ、漢字の画数を尋ねるやりとりなどは、児童にとって既習事項の確認のため負荷が少なく、活動への積極的な参加が期待できます。

 英語活動以外の場面で英語に接する機会を与えられることも、担任の大きなメリットです。声かけや掲示物などに英語を適切におりまぜることで、児童が体験的に、“英語は情報伝達・意思疎通のための道具”と理解できます。この日常的な英語の存在は、児童の英語に対する抵抗を弱め、結果、活動への積極性を高めます。
 英語活動のねらいは、児童のコミュニケーション能力の素地、英語への興味や関心の育成です。そのためには、たとえ担任が英語に苦手意識をもっていても、先に述べた利点を活かし、担任主導で活動を進めていくことが理想的なのです。担任の負担増は必至ですが、自分たちだけが提供できるこの環境に誇りと自信をもって、児童とともに英語活動を進めていきましょう。
(連載は6回の予定。次回は11月6日号掲載)

【プロフィール】
岡澤永一氏: 暁星小学校英語科主任。外国語教育メディア学会関東支部早期外国語教育研究部会主任。第三回マルチメディア学習教材活用国際コンテストにて国内最優秀賞受賞。著書に『小学校英語 with 電子黒板』(ドリマジック社)がある。

(1)外国語活動、担任主導こそが理想
(2)外国語活動の成否握る英語の質
(3)良質な英語で進める外国語活動
(4)児童と担任とのやりとりを柱にした外国語活動
(5)積極的な日本語使用で進める外国語活動
(6)担任中心の外国語活動の実施

【2010年10月9日号】


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