拡がる主権者教育

昨年6月17日、改正公職選挙法が可決され、選挙権が18歳以上に引き下げられ、7月10日の「第24回参議院議員通常選挙」が、18歳選挙になって初の国政選挙として行われた。実際に選挙権を持つ18歳だけでなく、これから選挙権を持つことになる中高生にとっては見本ともなる重要な選挙だ。18歳選挙に関連して様々な模擬選挙も行われ、中高生の主権者意識を高めている。

キッザニアで模擬試験 将来を見据えた体験に

平成24年から実施 選挙学習の場で活用

キッザニア
投票所で模擬投票の順番を待つ子供たち

子供向けの職業・社会体験施設キッザニア東京では、7月8日から10日まで「こども模擬選挙」投票体験を実施した。この投票体験は平成24年から国政選挙に合わせて行っており、子供たちが自分の考えを表明することの大切さを学び、選挙を身近に感じるきっかけ作りに、また、選挙学習の場として利用されてきた。

投票は、選挙時に実際に存在する政党のうち、所属人数の多い5つの党から、子供たち自身が候補者を選択し投票する仕組み。投票所はリアリティを重視し、投票箱などの備品は全て選挙管理委員会から貸借。選挙ポスターと共に、各立候補者のマニフェストから、特徴となる部分をわかりやすく掲載順に並べ、投票所に掲示した。

投票をしたいと申し込んだ参加者に対し、スタッフがパネルを見せながら、議員や議会、国会など政治の仕組みについて説明した後、子供たちは投票に臨んだ。

中3生の73・6%が政治の仕組み知りたい

キッザニアが中学3年生を対象に実施した調査によると、83・4%の中学生が「国の政治問題に対して自分の考えがある」と回答。18歳までに知っておきたいことは「政治の仕組み」が73・6%と最も高く、政治や政府について選挙権を持つまでに知識を蓄えたいと考えているようだ。

ワークショップで討議 自分の意見を述べる

8日には選挙や政治について子供たちが議論するワークショップ「18歳選挙権スタート 社会の問題について話してみよう」が開催された。「保育園不足!公園内に作ることに賛成?反対?」をテーマに、就学前から小学校高学年までの子供たちが意見を交わした。

ワークショップに6年生を参加させた近隣校の学校長は、6年後に児童らが選挙権を持つ18歳になることを見据え、「今回当選する参議院議員は、6年後の選挙の対象となる。初めての選挙を考えるきっかけにして欲しい」と話した。

 

【2016年7月18日号】

<<ひとつ前にもどる

関連記事

<<健康・環境号一覧へ戻る