学校図書館特集

人間力を育成する舞台に 図書館を使った調べ学習

校長を図書館長に―茅野市

図書館
袖ヶ浦市では、様々な方策により
調べ学習コンクールへの応募が増加

 パシフィコ横浜等で行われた「第15回図書館総合展」では多数のフォーラムが行われたが、その一つ「『図書館を使った調べる学習』の力」では、(公財)図書館振興財団が主催する「図書館を使った調べる学習コンクール」に行政を挙げて取り組む、長野県茅野市、千葉県袖ケ浦市の事例が紹介された。

資料を活用して学び 考える子を育む茅野市

 茅野市では、古くから幼保から高校まで毎日の朝読習慣があった。これは、保育士の読み聞かせに効果があったことから始まったものだ。

 その後、基礎学力として読書力と共に、問題解決のため、資料・情報を収集・選択し、自ら判断して自分の考えを伝達・発信する"自ら学ぶ力"を養うことが重要であると、第1次茅野市こども読書活動推進計画の重点項目に「茅野市小中学生調べ学習コンクール」の実施を位置付けた。

  授業で自分の考えを深めることが目標で、コンクールはその延長線上にあるものだ。

  コンクールを開始した当初は、学校間の温度差が多少なりとも生じたが、コンクールの重要性を共通認識とするために、校長を各学校の「図書館長」に任命することで、まずは校長の意識を高めた。同時に子どもたちも「授業が楽しい」と感じるようになり、その楽しさや喜びがコンクールの作品に表れたという。

袖ケ浦の学び方ガイド 教育課程に直結する取組

  袖ケ浦市の読書教育推進事業は、「豊かな心を育む子どもの読書活動の充実」と「探究型の学力を育む読書活動の推進」を掲げ、読書の日常化、学習・情報センター機能を活用し学習指導の充実、司書教諭がリーダーシップを発揮の3つを基本方針としている。

  それらを達成するために、次の3つの目標を掲げている。1つは年間貸出冊数を小学校は60冊、中学校は20冊。2つ目に、調べる学習のための学校図書館利用は1学級当たり年間20時間。最後に、調べ学習コンクールへの出品数を児童生徒の50%とすることだ。

  また、人・もの・情報のネットワークを整備し、併せて教育課程への支援として平成13年・14年度に「学び方ガイド」を作成(20年度改訂)、調べ学習の実践を行っている。

  同市の調べ学習の実践はコンクールにもつながっており、今年度で14回目を迎えた。コンクールの支援の特長の一つに夏休みに入ってすぐに市の図書館で調べ学習相談会がある。学芸員や民間企業まで、幅広い人材が協力している。
コンクールへの出品者も増加しており、平成25年度は市内全体で3045点の参加となった。ちなみに、同市の児童生徒数は約5000人なので、約6割の子どもたちが参加していることになる。

図書館の利用促進は 人的交流にもつながる

  「調べ学習」は学校図書館や公立図書館を利用する際の、キーワードだ。読書の推進だけでなく、地域振興、図書館の利用促進にもつながり人的交流も生まれ、「人間力」の育成にもつながる。

  なお、第17回のコンクールは、11月30日まで募集している。応募は、小学1年生以上(大人も可)。

【2013年11月18日号】

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