連載:親子で楽しむ日々の新聞活用 37回

テレビ面(欄)をよく知ろう

視聴率20%の意味をひも解いてみよう

 平成24年12月17日号では、番組表に書かれている主な記号を示しました。まず、その記号の意味を書いておきます。N:「ニュース」、天:「天気予報」、解:「解説放送」、デ:「データ放送」、字:「文字放送」、二:「二ヵ国放送」、双:「双方向サービス」、再:「再放送」、多:「音声多重放送」、手:「手話放送」。

 例えば「解説放送」は、主に目の不自由な人向けに副音声を使って場面の解説のある番組、「データ放送」は、放送波の隙間を使って文字情報や静止画などのデータを提供するサービス、「文字放送」は耳の不自由に人のために画面に文字でセリフなどを入れる放送、「双方向サービス」は、テレビ局と視聴者が双方向にコミュニケーションを伝えるサービスです。

 ところで、番組表の「N」の付いているところを蛍光ペンで塗ってみてください。NHK以外のチャンネルではニュース番組の数も放映時間もとても少ないことが分かります。同様にバラエティー(娯楽番組)がいかに多いかも分かります。

 さて、テレビというと視聴率が話題に上りますが、これを正しく理解している人は少ないようです。視聴率の調査は全体から少数を抜き出して行う標本調査で、関東地区のテレビ所有世帯約1700万のうち600(関西・名古屋地区も同数)世帯を無作為抽出して行います。

 関東地区で視聴率20%というのは、340万世帯がみたということですが、4歳以上の人4000万人中、800万人が見たということにはなりませんし、熱心さも分かりません。朝は、時計代わりや天気を知るために見ている人もいるでしょうし、スポーツ中継、歌番組などでは、他のことを「しながら」の人もいます。それも見たうちに入ります。

 また、推測して行うので必ず誤差が出ます。標本数が600の場合、視聴率20%なら、95%の信頼で±3・3%の誤差があります。そして、同一ジャンル、同一時間帯で比べてみないとあまり意味がありません。

 各テレビ局は、各番組の視聴率の他に、プライム帯(午後7時〜11時)、ゴールデン帯(午後7時〜10時)、全日(午前6時〜午前0時)の3つの時間帯について番組全体の平均視聴率でも競っています。
(全国新聞教育研究協議会顧問・鈴木伸男)

<<前回へ戻る 次へ>>

【2014年2月17日号】

関連記事

連載

<<健康・環境号一覧へ戻る