【対談】土曜授業の展開を促進―下村博文 文部科学大臣×平野啓子氏

防災教育の位置づけはどこに:平野
大臣:地域ぐるみの土曜授業でも

 平野 そのような"伝える"という作業が途絶えないようにすることも大切ですね。いつしか元の生活に戻るに従って、つまり復興すればするほど忘れられていくというもどかしさがあります。ずっと伝え続けるためにはどうしたらいいのでしょうか。

 大臣 一つには学校教育の中で防災教育というものをきちんと位置付けていくこと。9・1や3・11を起点として防災訓練などされるでしょうし、年間を通じて学校教育が取り組まなければいけません。それは被災地だけではなく日本全体が自然災害の極めて頻繁な国ですから、定期的にきちんと防災教育が行われていくよう、文部科学省として支援していきたいですね。

 平野 教科として位置づけることも検討に上っているのでしょうか。

 大臣 まずは土曜授業を推進したいと思っています。時代の変化に応じて子どもたちにもっといろいろ経験したり学んでもらいたいことがあり、そのためこれまで以上に土曜授業に取り組みやすくなるよう、学校教育法施行規則の一部を改正することを考えています。

  あわせて、地域の方々が主体の地域での総合学習的な取り組みも可能になるよう、環境整備します。いろいろなメニューの中で、地域ぐるみの防災教育に取り組むなども考えられるでしょう。どのようなメニューにするかは、それぞれの自治体・教育委員会に判断してもらいます。

 平野 そのような柱がしっかり確立されると、さまざまな学校の事情により私たちからすると進んでいないように見えた防災教育が、大きく推進されるかもしれませんね。

【2013年8月19日号】

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