【対談】学校と民間の連携に期待―下村博文 文部科学大臣×平野啓子氏

民間も学校と連携し防災教育を:平野
大臣:教育はオールジャパンで高める

 平野 民間が学校に協力するということについては、どのようにお考えですか。

 大臣 教育というのは、オールジャパンで取り組むべきものだと思いますね。今までは社会教育、家庭教育、そして学校教育と言われて来ました。しかし地域、家庭の教育力が弱くなっています。ですから教育はすべて学校教育が担っている面があるのですが、学校教育も、多様化する社会の中で先生はご苦労されている。ですからオールジャパンという発想で、あらゆるレベルで教育力を高めていくことは、子どもたちにとって、また日本にとっても大切なことと思います。民間をはじめいろいろなレベルで、社会的に有意義なことはどんどん活動していただきたいと思いますし、そこから子どもたちが触発されることにつながるのであれば、それは素晴らしいと思います。

 平野 その時、民間だけで頑張るより、学校との連携や先生方とも情報交換ができるのであれば、より効果的ですよね。

 大臣 もちろんです。先ほどの土曜日を活用した教育活動の事例ですが、大分県豊後高田市では市教育委員会が全ての小中学校を対象に、土曜日を活用した教育活動に取り組んでいるそうです。地域のそれぞれ得意な分野を持つ方々が参画していろいろなメニューを用意し、子どもたちに指導する形でやっている。そこに学校の先生はボランティアで手伝っているけど、主体は地域の人たちです。参加するかは子どもたちの自由ですが、8割位参加しているそうです。これはまさに地域総ぐるみの取り組みですね。

 平野 カリキュラム外の時間ですが、土曜日の活用という方法で、地域と学校が連携していくことは可能なのですね。

 大臣 現在、公立の場合は学校週5日制だから原則月曜から金曜までが正規の授業です。そういう意味で土曜日は特別メニューなので、地域の方々が主体で取り組む場合、自治体や教育委員会が推奨する内容であれば、いろいろなことができます。防災教育にはいろいろな地域の方々に参加協力してもらいながら取り組むことができ、とても有意義だと思いますね。

 平野 たとえば私の場合は文学を語り伝える活動を本業にしているのですが、さらに物語も含めて、地域に伝わる大切なものを伝えています。たまたま防災教育につながる「稲むらの火」や「津波てんでんこ」、「波きり地蔵」、「エルトゥール号の海難事故」などの話と出会い、何とか子どもに伝えたい気持です。このように各土地に残る先人の教えや、困難を乗り越えた人々の話を伝承してほしいですね。

 大臣 よろしいのではないでしょうか。それは既存の授業の中では難しいでしょうから、土曜日の特別メニューとして、できるだけその地域ならではの教えを子どもたちに継承する、少なくとも知ってもらうというのは素晴らしい取り組みだと思いますね。是非、地域の活性化にお手伝いをしていただければと思います。

【2013年8月19日号】

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