教育家庭新聞・教育マルチメディア新聞
TOP教育マルチメディア>連載

連載 ICT支援員日記(1) 先生が描く授業を実現する支援

さいたま市立つばさ小学校 担当

ICT支援員 吉本晴恵

「ICT活用の授業研究大会を控えた学校がある。その学校の支援員に着任してほしい」

私がICT支援員として所属するベネッセコーポレーションより依頼を受けたのは大会の開催まで6か月を切ったころです。その学校はさいたま市のICT教育モデル校。全教室に配置される電子黒板、そして校内LAN。設備の立派さに当初は圧倒されましたが、先生方の大会への想いを伺う中、私自身にできる事を精一杯やらせていただこう。そんな決意のもと、ご支援に入らせて頂きました。

「ICT活用のご支援」といっても何か決まったメニューがあるわけではありません。月2回訪問・1日8時間勤務(1時間休憩含む)という限られた回数の中、学校・先生ごとに求められる要望をしっかりと把握する事が第一に必要だと考えています。そのためにもまずは先生方に信頼頂けるよう、積極的にコミュニケーションを取ることを心掛け、身近な資料作りや提示物の作成、機器のトラブル対応等先生からのご要望に丁寧にお応えする事で、お声掛け頂く機会も多くなりました。

2か月を過ぎると、授業でのICT活用や大会の授業についてのご相談が多くなりました。先生方の思い描く授業を実現頂けるよう、全国の授業事例をご紹介したり、機器の効果的な活用方法のご紹介や、作品作りのための素材準備を行ったり。時には先生と一緒にPC教室にこもって授業の練習を行ったりもしました。

あっという間に大会が目前に迫ってきました。大会に向けてのご支援も大詰めです。子どもたちが不安なく授業に臨めるよう先生方から頂く質問、明らかになった問題。これらを先生方と一緒に考えさせて頂き一つひとつ解決策を練っていきました。

そして大会当日。私も操作支援・補助として授業に参加させて頂き、先生子どもたちとともに有意義な時間を共有できました。大会後、ある先生から「ありがとう。子どもたちが楽しそうに授業に取り組む事ができました。私も安心して授業に臨めました」と言葉を掛けて頂きました。

自分にできる事は何かを元に活動し、先生より信頼を頂く。その上で先生の描かれる活用イメージの実現をご支援する。教育のプロではないからこそ、より一層、先生や子どものことを考え続ける。そんな思いで今後もICT活用のご支援を続けてまいります。

■ICT支援員日記

(1)先生が描く授業を実現する支援(2011年10月3日号)

(2)各校の事例から「好例」学び提案(2011年11月7日号)

(3)コンテンツ活用と授業の可能性(2011年12月5日号)

(4)「主体的な学び」と「学びあい」を実現(2012年1月1日号)

(5)地域全体の教育力を向上(2012年2月6日号)

(最終回) ICT支援員の役割とは?(2012年3月5日号)

【2011年10月3日号】

 

 

関連記事

iPadの教育活用―文教大学教育学部准教授 今田晃一(110702) new

ICT支援員で学校環境をサポート(110801)

ICT環境整備・認識進む(110801)

ICT支援の輪 九州から(110509)


記事のご感想をお寄せください

新聞購読お申し込みはこちら

↑PAGE TOP

HOME教育マルチメディア記事一覧