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連載 ICT支援員日記(2) 各校の事例から「好例」学び提案

大阪府吹田市 担当

ICT支援員 中尾温美

私がICT支援員としてベネッセに入社したのは5年前。担当した吹田市では、ちょうどコンピュータ教室が一新され、多くの先生方が新しい環境の活用に悩まれていました。活用講習会を通して新しい機器の使い方を体験していただき、授業での手応えを感じていただくところから、ICT支援員としての活動が始まりました。

その後、徐々にコンピュータ教室の利用が増えていきました。

ある学校の4年生が、覚えたてのローマ字入力で「二分の一成人式の招待状」を作ったときのことです。どの招待状も力作ばかりでした。その日の放課後、「子どもの思いあふれる招待状を見て涙が出ました」と保護者から感謝の声が先生のもとに届きました。ICTの活用が子どもの素直な気持ちを引き出すことにつながったのだと思います。「やってみて良かった」と先生と喜びを分かち合えたことは私の自信にもつながりました。

始めの頃は創作活動での活用が中心でしたが、そのうち教科でのICT活用の提案を期待されるようになりました。毎月実施される社内での研修会や、全国1700校以上で活躍している支援員のサポート事例などを通して、効果的なICT活用を日々学んでいます。

算数の授業の始まりにフラッシュ型教材を用いて、かけ算の九九などを唱和する活動は、学習事項の定着を図ることができ、さらに授業に臨む姿勢作りにもつながるという報告があり、早速それを担当校で提案してみました。今では複数の先生が実践しています。今後は、情報モラル教育の支援を充実させようと思っています。情報モラル教育は、総合学習の時数減により、指導に費やせる時間にも限りがあります。

新学習指導要領にも触れられているように、各教科と結びつけた情報モラル指導が実現できるように提案のレパートリーを増やしています。同時に、学校と家庭の連携を考え、保護者向けの情報モラル講習会も提案しています。

"ICTは苦手"という先生から「もっとICTを授業に取り入れたい」と言っていただけることがなによりの喜びです。ICTを活用することで、"難しい・わからない"から、"楽しい・わかった"授業づくりを先生方と考え、子どもたちの笑顔ややる気を引き出せるように支援することが、ICT支援員としての重要な責務だと考えています。

■ICT支援員日記

(1)先生が描く授業を実現する支援(2011年10月3日号)

(2)各校の事例から「好例」学び提案(2011年11月7日号)

(3)コンテンツ活用と授業の可能性(2011年12月5日号)

(4)「主体的な学び」と「学びあい」を実現(2012年1月1日号)

(5)地域全体の教育力を向上(2012年2月6日号)

(最終回) ICT支援員の役割とは?(2012年3月5日号)

【2011年11月7日号】

 

 

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