世界を目指す「志」育む―埼玉県教委

 埼玉県では、平成21年度から5年計画で「生きる力と絆の埼玉教育プラン」に取り組んでおり、「脱内向き」をスローガンに、積極的に海外と交流を図る機会を設け、埼玉から世界を目指すグローバル人材の育成に取り組んでいる。その中から埼玉県から世界を目指す人材育成と「未来への投資」を推進した事業の主なものを紹介する。

“世界に踏み出す一歩”を支援する 

■高校生海外大学等短期派遣事業=世界を目指す「志」育成事業

  同事業は、海外の大学等の高等教育機関における授業への参加体験、研究室訪問、学生との意見交換等を行うことにより、国際的な視野や外国語によるコミュニケーション能力の育成を図るもの。平成23年度は8校が実施。平成24年度は10校が実施する。内容は各校によるが、夏休み期間の実施が多く、姉妹校訪問に合わせ、近隣あるいは関連の大学の授業の訪問や研修などを実施している。参加人数は計画段階で各校18〜30名。 

■海外授業体験推進事業

  同事業は、海外の高等学校と連携し、相手校生徒の家にホームステイをしながら授業、行事、奉仕活動等の体験を通して国際人の育成を図るもので平成23年度は8校実施。平成24年度は10校が実施する。主に夏休み期間で、日程は2週間以内。カリキュラムは各校が決めるが、姉妹校との交流を図る内容が多いという。 

グローカル・ハイスクール・プロジェクト推進事業

  同事業では、地球規模の視野や地域の視点をあわせもつ世界で活躍できる人材育成の観点から、新たなカリキュラムプランを研究、作成する。平成23年度から2年間かけての取り組みで、浦和高校、浦和西高校、大宮高校、大宮光陵高校、和光国際高校の5校が指定されている。

  県内唯一の国際高校である和光国際高校では、(1)外国人と渡り合えるプレゼン能力や交渉力とICT活用能力(2)英語プラス第2、第3外国語の語学力・コミュニケーション能力の育成を目的にカリキュラムを開発中だ。

  1年次=英語表現発表会、2年次=外国語科英語表現に於いてセマンティックコンピューティングを利用したディベート授業、2・3年次=外国語科英語表現ディベート対抗戦、3年次=時事英語、アメリカ駐日大使館外交官とのディスカッションなどを実施している。

  また、テンプル大学ジャパンにおいて事前研修後、カナダトロント大学の講義の受講、第2外国語(中・仏・独・西)の学習や外国人講師によるフランス語・スペイン語・韓国語の早朝講座なども実施。フランス、ドイツ、中国へそれぞれ5名程度派遣する短期留学、春休み中2泊3日の英語キャンプ、世界の高校生等と交流、保護者対象3か国語(フランス語・中国語・スペイン語)入門講座など様々な授業を展開している。

  県立トップ校である浦和高校では、教科「情報」を1年次に学習、プレゼン能力の育成を図る。また、兄弟校である英国ホイットギフト校とも交流を図っており、隔年で交互に10日間、約30名(希望者派遣と部活動派遣)の短期派遣と1年間の長期派遣(1名)を実施。留学を経、ケンブリッジ大学やロンドン大学等へ進学する生徒もいる。

  海外サマースクールへの生徒派遣(毎年4〜5名)や、卒業生による留学のススメ講座も実施。

  大宮高校の理数科も県立トップ校の1つ。同校理数科では、2年時、「総合数理」で、数学、物理、科学、生物の4分野について英語科とTTで実施する予定だ。

 


■【グローバル人材育成】世界に雄飛する人材育成を強化する

 

【2012年5月7日号】

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