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プロ棋士は0.1秒で定跡かデタラメかを見分ける 脳内活動の探索研究 (2008年12月01日)

プロ将棋の対局では、素人目にはまだ「詰み」にはほど遠いのに「参りました」と言う…なんか格好いいですね。日進月歩のコンピュータも、未だトッププロと呼ばれる人たちにはかなわないとか。そんなプロ棋士の頭の中って、どうなってるんでしょう?

独立行政法事理化学研究所と富士通株式会社、株式会社富士通研究所が行った共同プロジェクト「将棋における脳内活動の探索研究」において、プロ棋士の優れた直感が独特な直感回路を作ることを、世界で初めて明らかにしました。将棋棋士の対局中の脳の神経回路の情報処理メカニズムを解明し、人間に特有の直感試行の仕組みを解明することを目指しているのです。

将棋の棋士は、長年にわたり将棋に特化した試行の修練を重ねており、差し手の予測、選択、長考とその中での一瞬のひらめきなどに見られる独特の思考の過程には、脳の思考の仕組みの謎を解く重要なカギがあると考えられます。

実験では、プロとアマチュアの棋士に駒組を5秒間ずつ呈示して駒配置を記憶してもらい、駒組を見た直後の脳波活動の変化を調べました。駒配置は定跡と呼ばれる、対局で良くある駒組と、ルールを無視してデタラメに配置した駒組の2種類を用いて比較しました。

脳波活動の解析から、プロ棋士では、定跡形とデタラメ形で脳波活動に明確な違いが見られました。定跡形が呈示されると0.1秒後に前頭部で脳波の活動上昇が見られたのに対し、デタラメ形では0.1秒後に側頭部で活動上昇が見られました。一方アマチュアの上級者では、二種の駒組での大きな差はなく、いずれも0.3秒後に活動上昇しました。

さらに、プロ棋士の盤面の知覚については頭頂葉背内側部の神経活動が高まり、次の一手の直感については、大脳基底核の一部である尾状核頭部が活動することが見いだされました。大脳基底核は行為の習慣化に重要であると考えられてきましたが、プロ棋士の直感においても重要な働きをしているようです。

この研究結果から、直感思考を解明する道筋が見えてきたと期待されています。人間の脳の伝達の仕方が解明されれば、ロボットの人工知能などにも応用されるかもしれませんね。

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投稿者 kksblog : 2008年12月01日 06:50


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