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第35回ICTE情報教育セミナー in 関西大学 (2007年07月11日)

 21世紀の情報教育のあり方を模索する情報コミュニケーション教育研究会(ICTE)は6月9日、「第35回ICTE情報教育セミナー in 関西大学」 (共催 関西大学)を開催。 会場となった関西大学では「コミュニケーションと教科『情報』の接点」をテーマにワークショップや座談会などが行われ、教科「情報」 の教員を中心に116名が参集した。
多彩なワークショップ
多彩なワークショップ2

社会環境も変化 「情報」 のあり方を見直そう

ICTE会長・水越敏行氏(関西大学特別顧問、大阪大学名誉教授)は「子ども達の携帯電話の使い方など、 情報教育の始まりのころからコミュニケーションの方法、メディアとの関わり方が大きく変わってきた。良い悪いではなく、 教員も新しい波を受けなければ社会との間に溝が生まれてしまう」と述べ、 設立から7年目を迎えたICTEの活動もその基礎から見直す時期に来ていると訴えた。水越敏行氏(関西大学特別顧問、大阪大学名誉教授)_edited

ワークショップ報告
ワンマンDJで著作権教育

 03年に開始された教科「情報」も今年度で5年目、この日のワークショップでは新しいスタイルの「情報」授業として、 ExcelVBAを利用したプログラミング実習や、コミュニケーション能力を育むプレゼンテーション指導など4つのプログラムが行われた。

◇       ◇

 「ラジオ番組制作を通して著作権を学ぶ―OneManDJ―」では、久保田裕氏(コンピュータソフトウェア著作権 協会専務理事) が著作権指導の必要性について説明。続いて、田邊則彦先生(慶應義塾湘南藤沢中・高等部)を中心に、 プロムナード株式会社のラジオ番組制作システム「プロムナードASシステム」を利用したラジオ番組制作を行った。
体験することでわかる表現の楽しさと著作権
 参加者は5、6人のグループに分かれ、学校 紹介を500字程度のナレーション原稿にまとめた後、 実際にBGMやジングルに乗せてDJのナレーションを体験。即席ながら各グループとも見事なチームワークを発揮し、 中継先からのレポートを取り入れた設定に変更したり、仲間のミスにアドリブで対応したり、 とグループワークならではの賑やかなワークショップになった。

 ラジオの番組制作を用いた著作権教育について、田邊先生は「発信する立場になることで、著作権とは何か、 どのような権利を守ろうとしているのかなど、○×クイズにはない著作権教育ができる。 著作権や情報モラルを学ぶ一つの手がかりになるワークショップになった」とまとめた。

日本の違法コピー率、ワースト3からベスト3にまで改善
「引用」の範囲が課題

現場の相談にのる久保田氏
                  (休み時間 参加者の質問に応える久保田氏)

(社)コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)
   専務理事・事務局長 久保田裕氏


 PCパソコンの普及、インターネットへの接続などによって、 教育現場ではデジタル化された多様な情報の利用が増加している。これらの情報を合法的に利用するためには、「引用」 として認められる範囲を早急に考えなければならない。

 現在、著作権の保護期間をめぐる議論がなされているが、これも、 著作者の死後何年経てば国民の財産として自由に著作物を使えるのかということだ。このような議論に国民は積極的に参加すべきだ。 法律は民主的に自分達で作るものだからこそ遵守すべきなのであって、ペナルティがあるから法を守るという姿勢ではいけない。

 著作権の管理や情報保護への取り組みを通して、日本国内のソフトウェアが正しく使われるようになり、 今では日本の違法コピー率は、ワースト3からベスト3にまで改善した。著作権を指導する際には、そうした日本の良い取り組みもしっかり伝えてほしい。また、 先生方には、子ども達の作品にも著作権が及んでいることを理解し、許諾なく公表したり、手を入れることを慎んでほしい。何より、 子どもの作品に敬意を払ってもらいたい。

メディア接触 低年齢化・ 長時間化

 座談会では、水越敏行氏を司会に堀田博史氏(園田学園女子大学准教授)、池田明氏(大阪市立扇町総合高等学校教諭)、 田邊則彦氏、 生田孝至氏(新潟大学教授)らが、「メディア接触の低年齢化と長時間化―学校の役割・家庭の役割」について意見を交わした。
座談会
 
 堀田博史氏
 ICTを利用した遊びと家庭を結ぶ可能性について考えている。 「働いている美しいお母さんを撮ってきましょう」と、デジタルカメラを家庭に持ち帰らせて子どもに母親の働く姿を撮影させるなど、 ICTを家庭に持ち込み親子でコミュニケーションをとる、ICTやメディアはそうしたコミュニケーションの基点になる。

 池田明氏
 高校1年生にワープロソフトの入力速度練習を実施すると、 たいていの子が教える前から早く打つことができる。メールの利用も入学の段階で進んでおり、 チェーンメールなどの影の部分を既に経験している生徒もいる。
 一方で、以前まではゲームは男の子の遊ぶツールだと思っていたが、今では昼食時に食事もせずゲーム機に没頭している女子生徒を見かける。 メディア利用のユニセックス化んでいる。メディアへの接触は避けられず、正しい指導が必要。

 田邊則彦氏
 携帯型ゲーム機は、園児から50歳台や年配の方まで、 幅広い世代が様々なシチュエーションで利用している。そうした様々なメディアとの接触の仕方が、ここにきて大きく変わってきた。 パーソナルなメディアとして、小さな子でも持てるように開発していることが、子どもを育てる上で良いことなのか、危機感を覚えている。

 情操が育まれ、個性的な能力を育むのに役立つのか。TVを見、PCを使い、ゲーム機に接するということが、 本来伸びていく力を阻害する可能性があるとしたら残念なこと。マルチメディアが一番教育の効果を発揮するのはどういう場面なのか、 子どもたちと接している自分達が考えていかなければいけない。

 生田孝至氏
 大学で情報基礎のようなテクニカルなものを教える必要がなくなり、 情報や情報教育とは何なのか、本格的に問い直すところに来ている。かつてエクセル・ワードを指導していた人は指導の必要がなくなった。

 教科「情報」の基盤とも言える「親学問」をどこに置くのか、改めて考えたい。高校では技術に走ってしまうが、 情報とは基本的にメディアを介したコミュニケーションだと思う。日本にはまだないが、「親学問」 としてコミュニケーション学を打ち立てるべき時期を迎えている。

【関連サイト】情報コミュニケーション教育研究会(ICTE)
【関連サイト】(社)コンピュータソフトウェア著作権協会 (ACCS)
【関連サイト】ラジオシステムについて (教育家庭新聞)
【関連サイト】ラジオシステム (株式会社プロムナード)



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投稿者 kksblog : 2007年07月11日 13:06


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