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宇宙の謎にせまる 「暗黒エネルギー」の存在を証明 (2007年10月02日)

独立行政法人理化学研究所は、宇宙が「暗黒エネルギー」と呼ばれる未知のエネルギーに満ちているという証拠を、独自の手法で得ることに成功しました。

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ハッブル宇宙望遠鏡で撮影した重力レンズクエーサー NASA/ESA/大栗真宗 提供


「宇宙は膨張している」と聞いたことはあるでしょうか?その速度や規模は分かりませんが、これまでの宇宙研究で膨張していることは確かなようです。このことを説明するために導入された概念が「暗黒エネルギー」です。暗黒エネルギーは、宇宙の質量の大半を占めていると考えられていますが、暗黒エネルギーを直接検出したことはなく、現在の天文学および物理学の最大の謎となっています。

さまざまな観測・分析の結果、暗黒エネルギーは宇宙の質量の約70%を占めている、という結論が得られました。その観測の基本、観測する対象のものについてご紹介しましょう。

暗黒エネルギーは、宇宙に存在する物質が「万有引力」を持っているのと反対に、「反発する重力」を持つように観測されるものです。その結果、暗黒エネルギーの存在は宇宙を加速的に膨張させると説明されています。

研究グループは、私たちの住む銀河系から遙か離れた、活発に活動している非常に明るい天体「クエーサー」と、それよりも近くにある他の銀河に着目しました。地球からクエーサーを観測したとき、その視線上に銀河があると、銀河の重力により光はゆがみ、複数の経路をたどって到達します。その結果、一つのクエーサーが、見かけ上は銀河の周りに分裂して見えることになります。これを「重力レンズ現象」といいます。

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重力レンズ現象の概念図


宇宙が加速膨張していれば、観測する天体までの距離は増えます。つまり、暗黒エネルギーが少ない=膨張が小さい場合は、重力レンズ現象はほとんど見られず、暗黒エネルギーが多い場合はその逆になります。今回の観測では、約23,000個のクエーサーを観測し、うち重力レンズの効果を受けていたものは11個見られたそうです。

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重力レンズ効果を用いた暗黒エネルギー検証の概念図

「暗黒エネルギー」「重力レンズ」など、天文に関する用語は、心なしかロマンを感じさせるものが多い気がします。つきつめていくと、とても難解な分析方法や数式が待っているのですが、言葉の持つイメージにわくわくすること、そんな些細なことが未来の科学者を生み出すきっかけになるかもしれません。


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投稿者 kksblog : 2007年10月02日 23:58


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