« あなたの街に「ゆかり・縁」のある人はいますか? | トップページへ | 移動中、まわりの人の目は気にならない人が半数以上 »

複雑系理論の世界に激震?20歳学生がチューリングマシンを証明 (2007年11月07日)

WIRED VISIONのサイエンステクノロジーニュースによると、「ウルフラム氏のチューリングマシン」を20歳の学生が証明しました。

wolfram1071106.jpg
by mzacha

複雑系理論の権威であるStephen Wolfram氏が、あるチューリングマシンを提案し、これが考えられるありとあらゆる計算問題を解く能力を持つ、考え得る限りで最も単純なコンピューターであることを証明するよう呼びかけました。

その結果、わずか47日後にイギリスのバーミンガム大学コンピューター科学部の学生Alex Smithさん(20歳)が、チューリングマシンを見事に証明しました。

チューリングマシンとは、コンピューターの世界に偉大な貢献をした数学者、アラン・チューリングが1936年に提案したものです。

今ではハードウェアをソフトウェアと切り離すことは当たり前になっていますが、チューリングはこれを理論として考え出した最初の1人で、ソフトウェアを交換すれば、単一の機器であらゆる計算が可能なことを理論的に示しました。

wolfram071107.jpg

「ただし、チューリングマシンの実物が作られたことはない。これはあくまで理論上の概念で、このマシンに必要な条件が理論的に設定されたにすぎないからだ。そして、科学者たちは相手の理論をよりいっそう単純化しようと競い合うのが常だ。」というわけで、Wolfram氏は、著書『New Kind of Science』の中で、2つの状態と3つの色を持つ装置が、最も単純な万能チューリングマシンだという仮説を立てました。

そして2007年5月に、Wolfram氏はこの仮説を証明した者に2万5000ドルの賞金を払うと申し出たのです。

「誰かが賞金を勝ち取るまでにどれほど時間がかかるのかわからなかった。1ヵ月か?1年か?10年か?100年か?あるいはもしかするとこの問題は、そもそも決定可能ではないのかもしれない・・・」と、Wolfram氏は10月24日(米国時間)、自身のブログに書いていました。

しかし、コンテスト開催を発表してからわずか47日後に、Wolfram氏は、米国の法律ではまだアルコールも買えない年齢のSmithさんから、Wolfram氏の仮説が正しいことの証明とコードが含まれた40ページにわたるファイル(PDF形式)を受け取りました。

一通り見直しが行なわれたのち、Smithさんが提出したファイルは公認されました。こうして、10月26日をもって、Wolfram氏が発明したチューリングマシンは、最も単純な万能コンピューターとなったのです。

良い意味でWolfram氏の期待を裏切ってくれたAlex Smithさんに拍手ですね。年齢や経験に関係なく、好きな分野に打ち込む情熱がこの素晴らしい結果を運んできてくれたのでしょう。

■関連記事
KKSブログ: 世界で大ブーム!数字で頭の体操 Sudoku(数独)
KKSブログ: 「142857」これって何の数? 教科書に載っていない数のおはなし
KKSブログ: 女の子よ理系へ進もう! 「女子中高生の理系進路選択支援事業」

College Kid Proves That Wolfram's Turing Machine is the Simplest Universal Computer
「ウルフラム氏のチューリングマシン」を20歳の学生が証明



« あなたの街に「ゆかり・縁」のある人はいますか? | トップページへ 移動中、まわりの人の目は気にならない人が半数以上 »

最新記事一覧

投稿者 kksblog : 2007年11月07日 20:06


コメント
ブログ内検索
昔の記事を読む
メルマガ・RSSで読む
毎週水曜日、1週間分のニュースをまとめてお送りします(無料)。<サンプルはこちら>

【購読はこちら】
ネタを提供する
教育に関するネタ大歓迎。お気軽にどうぞ!!



ネタなどへのお返事
KKSブログ for mobile
mobileaccess.gif

最新15記事の大事なトコだけ読めるようになってます。あと、古い携帯は文字化けするかも


KKS Web News 教育家庭新聞(C) KKS ブログトップ