教育家庭新聞社
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■学校におけるＩＣＴ環境の整備状況
　それによると、コンピュータ１台当たりの児童生徒数は、平成20年３月の時点で、７・０人／台（目標値３・５台。以下カッコ内は平成23年度までの目標値）。普通教室における校内ＬＡＮ整備率は、62・５％（概ね１００％）。教員の校務用コンピュータ整備率は57・８％（１００％）となり、教育用コンピュータの整備（7.0人/台、H23.3までの目標は3.6人/台）及び校内ＬＡＮの整備（62.5％、H23.3までの目標は概ね100％）は、昨年度並みの伸び率で推移していることがわかった。
　また、超高速インターネット（30Mbps以上）の接続率は51.8％（H23.3までの目標は概ね100％）で、前年度（35.0%）と比べ16.8％の大幅増となった。
　教員の校務用コンピュータの整備率は57.8％（H23.3までの目標は100％）で、前年度（43.0%）と比べ14.8％の大幅増。
都道府県別に見ると、例えば普通教室における校内ＬＡＮ整備率は、最大で91・４％、最低で35・４％と、昨年度（最大で89・９％、最低で28・３％）よりも差が若干減少したものの、依然格差が見られる。

■ 教員のＩＣＴ活用指導力
文部科学省では、平成18年度より、文部科学省「教員のＩＣＴ活用指導力の基準の具体化・明確化に関する検討会」でとりまとめたチェックリストに基づき、全１８項目別に４段階（「わりにできる」、「ややできる」、「あまりできない」若しくは「ほとんどできない」）の自己評価を行う形で実施している。
小項目別（全18項目）に４段階評価で「わりにできる」若しくは「ややできる」と回答した教員の割合をみると、

・ 教材作成のためにＩＣＴを活用（Ａ２：７８．６％）
・ 児童生徒に情報を収集、選択させる指導（Ｃ１：６６．７％）
　　・ 児童生徒に情報の正しさや安全性を理解させる指導（Ｄ３：６７．７％）
　　・ ＩＣＴを活用して、校務分掌等に必要な情報を収集し、文書等を作成（Ｅ１：７４．１％）

　　等は高い割合を示した。
一方で、低い割合となったのは以下の３点であった。

　　・児童生徒の知識を定着させるため、ＩＣＴを活用して資料等を提示（Ｂ４：５３．２％）
　　・児童生徒がＩＣＴを活用してわかりやすく発表・表現できるよう指導（Ｃ３：５１．２％）
　　・教員間における必要な情報の交換・共有化（Ｅ２：５７．２％）
学校種（小学校、中学校及び高等学校）別に見ると、１８項目中１０項目において　高等学校が３校種中で最も高い結果となった一方で、１３項目において中学校が３校種中で最も低い結果となった。
大項目（Ａ～Ｅ）別に各小項目の割合の平均を見ると、「Ａ：教材研究・指導の準備・評価などにＩＣＴを活用する能力」の平均が約７割(71・４%)、「Ｂ：授業中にＩＣＴを活用して指導する能力」の平均が約６割(55・２%)、「Ｃ：児童生徒のＩＣＴ活用を指導する能力」の平均が約６割(57・８%)との結果であった。
また、「Ｄ：情報モラルなどを指導する能力」や「Ｅ：校務にＩＣＴを活用する能力」については、いずれも平均が約７割(Ｄ:65・１%、Ｅ:65・６%)との結果であった。
これを、さらに都道府県別に見ると、例えば大項目Ｂでは最大の都道府県で８０・６％、最低の都道府県で４５．９％と、地域間で大きな格差が見られる。

　文部科学省としては、本結果を踏まえ、「ＩＴ新改革戦略」に掲げられた目標の達成に向け、学校におけるＩＣＴの環境整備、教員のＩＣＴ活用指導力の向上について、各種調査研究事業やモデル事業等を通じて、地方公共団体や学校の取組を引き続き支援していく考えだ。