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平成21年度 就職活動に関する大学の「申合せ」企業の「倫理憲章」の公表 (2008年10月27日)

文部科学省では、平成21年度の学生の就職・採用活動について、大学側の学生の就職活動に関する「申合せ」および企業側の採用活動に関する「倫理憲章」が正式決定したことを公表しました。

これらは1997年に就職協定が廃止されたことによって、学生の就職活動について、公平・公正かつ秩序ある形で行われるために、毎年「申合せ」および「倫理憲章」をそれぞれ定め、互いに尊重するという方式がとられているものです。

日本経済団体連合会理事会において決定された、今年度の「倫理憲章」の概要は以下のようになっています。
1.正常な学校教育と学習環境の確保
2.選考活動早期開始の自粛
3.公平・公正な採用の徹底
4.情報の公開
5.採用内定日の遵守
6.その他(高校卒業予定者について)

この中で「大学などの学事日程を尊重する」「選考活動の早期開始は自粛する」など、採用活動は大学に置ける学業に差し障りがないよう行う旨、繰り返し書かれています。さらに「卒業・修了学年に達しない学生に対して、面接など実質的な選考活動を行うことは厳に慎む」とあり、正式な内定日については「10月1日以降」と明記されています。

それでも、この憲章はあくまで企業の「倫理」に訴えるものであり、何ら罰則があるわけではありません。結果、最も大学で専攻分野について深く学ぶ時期のはずの三年次後半から四年次にかけて、多くの学生が就職活動に意識や時間を割いています。

また就職活動の開始時期が早まることにより、就職活動の期間が長くなっています。なかなか内々定を得られない学生は、その分就職活動を長く行わなければならず、本来大学で学ぶべき時間がさらに削られているのです。

こういった現状に警鐘を鳴らす大学関係者や、不満を感じる学生もいるでしょう。しかし就職の決まっていない四年次の学生からは「もっと早く就活を始めれば良かった」と嘆く声が聞かれ、学生の立場から早期化を抑えるのは難しいと感じられます。

このままでは大学を選ぶ基準が「就職率」や「就活サポート」になってしまうのではないでしょうか。大学で学ぶ意味を失わないためにも、企業には「倫理憲章」の意義を再確認してもらいたいものです。

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投稿者 kksblog : 2008年10月27日 01:06


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